内容説明
ブルターニュ地方の人びとが、カトリック教義への篤い信仰を保つ一方で、それとはかならずしも合致しないにもかかわらず、現在も大切に守り続けている伝統行事、パルドン祭りとトロメニ―民俗信仰とカトリックという創唱宗教との混在・併存の諸相を、日本民俗学の手法で長期にわたり調査・分析し、華やかなパリとはちがう、もうひとつの奥深いフランス文化をさぐる、我が国で初めての試み。その基底にほのかに見えてくるのは、はるかなケルトの残照か。
目次
第1章 パルドン祭りと巡礼―フランス、ブルターニュ地方サンターヌ・ラ・パルーの事例より(サンターヌ・ラ・パルーのパルドン祭り;ペルリナージュの二つの意味 ほか)
第2章 パルドン祭りと奇跡の泉(泉水とシャペルの立地;パルドン祭り ほか)
第3章 パルドン祭りと夏至の火―タンタットゥと聖ヨハネの火(ブルターニュ地方の民俗調査;サン・ジャン・デュ・ドワのパルドン祭り ほか)
第4章 ブルターニュのトロメニ―伝説と現在(はじめに―民俗学の海外調査研究;ブルターニュのトロメニ ほか)
第5章 ロクロナンのトロメニ―祭式、空間、聖なる時(はじめに;ケルト暦 ほか)
著者等紹介
新谷尚紀[シンタニタカノリ]
1948年生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程修了。現在、国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授、社会学博士(慶応義塾大学)
関沢まゆみ[セキザワマユミ]
1964年生まれ。筑波大学大学院修士課程修了。現在、国立歴史民俗博物館准教授・総合研究大学院大学准教授、文学博士(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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