内容説明
「生きられない孤独」から「生きるための孤独」へ―いま、子ども・若者が生きていくために、何が必要かを考察。
目次
ゼロトレランス
バトルロワイヤル状況
「怒り」の感情
親殺しに先行する子殺し
親子のボタンのかけ違い
秋葉原の事件から
十四歳のバスジャック事件から
教育家族
不登校
発達障害
自閉症の子どもたち
『自閉症だったわたしへ』から
トイレで食事をするが
著者等紹介
芹沢俊介[セリザワシュンスケ]
1942年東京生まれ。上智大学経済学部卒業。評論家。社会問題を中心に子ども、家族、教育に関する評論で活躍。独自の理論の展開と深い解釈は、不登校、ひきこもりを経験した当事者からの支持も多い
須永和宏[スナガカズヒロ]
1944年埼玉県生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。東京家政学院大学教授。家庭裁判所調査官として長年にわたり非行問題、家族の紛争問題等の援助臨床にたずさわってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
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評論家と家裁調査官を務めた大学教員が子ども・若者をめぐる閉塞感についてしたためた往復書簡をまとめた本。第一次安倍政権下で進められたゼロトレランス政策やその後の少年法改正など、子どもを道徳規範で縛り、かつ司法の場における少年の厳罰化が時代背景として重要である。基本的に学校では特定の規範意識で画一化され、さらに競争主義が家庭に浸透していく中で、家族や友人を含めた他者に対する信頼関を失った子どもと若者が増えたという時代分析となっている。佐賀のバスジャック事件や秋葉原の無差別殺傷事件も取り上げられ、興味深かった。2024/02/12