ヴェネツィア水の夢

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480814234
  • NDC分類 970.4
  • Cコード C0095

内容説明

夢の彼方にきらめく旅の記憶。エーコの驚異的な記憶力と孤独、カルヴィーノの最後の言葉、ナポリを愛したベンヤミン、異郷に死んでいった詩人たち…。名訳者としても知られるイタリア文学者が、ドラマを秘めて生きる作家・詩人たちの姿を一瞬の光の交錯のうちに鮮烈に描き出す。

目次

髭と二八〇〇〇冊の孤独
エーコと過ごしたノルマンディーの日々
見えない円環―エーコとカルヴィーノ
うその地理学―カルヴィーノの水脈をたどって
カルヴィーノの恋文
リスボンの春
フェリーニを殺したのは誰か―フェデリコ・フェリーニ追悼
リミニ幻想―フェリーニとトンデッリ
マラパルテをめぐって
ぼくの出会ったイタリア作家たち〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34
表紙絵が好き。和田さんの旅の記憶、出会いと別れをつづった随筆集です。一話一話が短く、思っていたより親しみやすい文体だったので、内容もつかみやすかったけれど、故人を題材とした話のいくつかで、ラストでその人物の名前をしるす(=さいごまでいかないと正体がわからない)というもっていき方に、少々まどろっこしさを感じてしまいました。←返却期限が迫っていて駆け足でよんでしまったせいもあるかも。今回気になったのはその点で、須賀敦子さんやタブッキが登場する中盤以降はより親しみをもてたし、もう一度味わいたいと思う作品でした。2016/08/26

ぞしま

22
エーコ、カルヴィーノ、タブッキ、モラヴィア、パゾリーニ、ペンナ、モンターレ、須賀敦子など……小説家/詩人の固有名詞に彩られながら、内省的な思索が、種々様々なイタリアの風景と共に綴られていく。エーコ、カルヴィーノ、タブッキとの思い出話も至極興味深いが、白眉はやはり須賀敦子のエピソード。本書に潜む記憶の遠近法とでも呼ぶべき語り口や、亡き人への静かな愛惜の念はどこか通底での彼女の書物とのつながりを想起させる。そして『ヴェネツィア 水の夢』というタイトルは『ミラノ霧の風景』にひどく似ていることに気がつく。2017/02/04

micamidica

6
エーコ、カルヴィーノ、須賀敦子等々イタリア文学に携わるひとびとにまつわる回想を軸に綴られるエッセイ集。過去と現在がないまぜになって作り出される空気感が、和田忠彦氏の夢の中に入ってしまったように錯覚させられた。個人的に、ヴェネツィアという場所を思い返すときの感覚にも似ていて『ヴェネツィア 水の夢』というタイトルがすごくしっくりと来た。そして次に読む本は必然的に須賀さんの作品だな、と思って今朝本棚を探ってみたのでした。2017/04/14

ヤクーツクのハチコ

4
親交のあったイタリア文学の人々のエッセイ。タブッキもカルヴィーノも一冊しか読んだことがなく、記されている文学人である程度作品を知っているのはエーコと須賀敦子くらいだったので「へー、イタリアにはこんな人がいたのか」な感想になってしまった。よくイタリア詩人についてもかかれていたが、詩って語学だけでなく文化まで理解できないと味わえないよなあと思う。小説と違って詩は邦訳された時点で全く違うものになってしまうし。そう考えると私はドイツ語のリルケもイタリア語のサバの詩も観賞できないままの人生なんだなあと2018/11/03

ユカ

4
イタリアでみっちり埋め尽くされた一冊。著者はイタリア文学者で、イタリアの作家や詩人の友人が多い。その人たちの紹介やら会ったときのエピソードやらが、まだまだ語り足りないといったふうに書かれている。ちょっとミーハー的な視線も感じる。所々出てくる旅行の様子を興味深く読んだ。そして須賀敦子については今まで読んだどんな追悼文よりも、生々しく最期を教えてくれた。涙。しかしTVで見ると和田さんはこんなに社交的な人には見えないのだが…(失礼!)2018/10/28

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