内容説明
生命の花、勇気の花、流された涙の彼方に。その花筐の内の一輪一弁にたくわえる人生の無念。沈黙の果てに吐き出す小さき者の声。偏見と差別は、人間としての尊厳を奪い去る。苦悩を生きる人びとが救われるのは、いつの日か。
目次
時の中に埋もれて―はじめに
ゆうなの花
指文字
交差路
埋もれ火
往路のない地図
散らない花弁
春を紡ぐ繭
にんげんの連
尊厳の棘―あとがきにかえて
著者等紹介
伊波敏男[イハトシオ]
1943(昭和18)年沖縄県生まれ。14歳からハンセン病療養所で生活を始め、沖縄、鹿児島、岡山の療養所での治療を経て全快。その後、東京の中央労働学院で学び、1969年、社会福祉法人東京コロニーに入所。1993年より約3年間、社会福祉法人東京コロニーおよび社団法人ゼンコロ常務理事をつとめる。1997(平成9)年、自らの半生の記『花に逢はん』を出版、同年12月、第18回沖縄タイムス出版文化賞を受賞。ついで、『夏椿、そして』を著し、ハンセン病文学を問い続ける。作家。2004(平成16)年より、信州沖縄塾を主宰し、塾長となる。以降、沖縄の近現代史を基礎から学ぶ特別講座を開講している。長野県上田市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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