内容説明
封印された鎮魂曲。戦中派から戦後世代まで、様々な領域の50名に及ぶ日本人による空前の文集。
目次
深沈たる日本鎮魂曲「海ゆかば」(桶谷秀昭)
敗者の教訓(粕谷一希)
信時潔小感(高橋英夫)
「海ゆかば」をめぐる感想(三木卓)
「屍」とは何か。(山折哲雄)
「海ゆかば」の思想的根拠(饗庭孝男)
逝ってきます(佐々木幹郎)
「海ゆかば」入門(小池昌代)
「海ゆかば」と「威風堂々」(御厨貴)
「海ゆかば」―「義の音楽」(新保祐司)〔ほか〕
著者等紹介
新保祐司[シンポユウジ]
昭和28年生まれ。文芸評論家・都留文科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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航
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再録や対談含め、いろんな人の海ゆかばに対する想いがこめられてる。大正時代を生きた方から、一番若くて昭和34年生まれの方まで。音楽論だったり文学と絡めたりテレビや映画の話だったり、執筆者の視点によって多面的に描かれる海ゆかば。時代の圧力とマスコミの自粛によって「封印」された、というイメージが強かったけど、戦場に赴いた人や家族友人を見送った人には、本心から歌うのをはばかられることもあったのだろうと気がついた。平成生まれの私にとっても知らない時代のものだと思えないようなこの曲の持つ力を考える、たくさんのヒント。2013/06/30