内容説明
エネルギー問題、地球温暖化など、誰もが無関係ではいられない切実な問題を取り上げ、最新科学に基づいて要点を解説する、全米ベストセラー。
目次
第1講 テロリズム(九・一一事件―何が起きたのか?;テロリストと核兵器;バイオ・テロ)
第2講 エネルギー問題(エネルギー問題の知られざる真実;太陽エネルギー;石油の終焉?)
第3講 原子力(放射線の基礎知識;放射性物質の基礎知識;核兵器を知る;原子力;核廃棄物;核融合制御)
著者等紹介
ムラー,リチャード・A.[ムラー,リチャードA.][Muller,Richard A.]
カリフォルニア大学バークレー校の物理学教授。マッカーサー・フェロー賞(別名「天才賞」)の受賞者。政府の筆頭顧問を長年務める。米国国会が全米科学アカデミーに要請して行われた地球温暖化の証拠の見直し作業においては、見直しを第三者として審査する審査官を務めた。また、米国PBS(公共放送サービス)や英国BBC放送の多くの特別番組やドキュメンタリーに専門家として出演している
二階堂行彦[ニカイドウユキヒコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
12
例えば、アメリカで数億人分の致死量の炭疽菌が郵便で届けられ、それが恐らくテロリストの意図通りに開封されてしまったという事件がある。そんなことが起きたんだからさぞかし大量に死人が出たんだろうと思うのが浅はかなところ、実際は不幸な死亡者は5人に過ぎなかった。このギャップを理解するために科学を学ぶ必要がある。この問いはあくまでも一例で、エネルギー問題や原発問題、テロリズムなどについて我々は普通、あまりにもその基礎となる科学を知らず、それゆえに幻影の恐怖に取り憑かれてしまう。それを解きほぐしてくれるのが本書である2016/07/16
たかしくん。
9
以前、東洋経済の特集で「世界史(マクニール)」と並んで、サイエンス部門に紹介されていた本です。時事の話題をテーマに、科学の視点からアプローチする作品。1巻のお題は、テロリズム、エネルギー問題、原子力の3つです。まさに文系でも充分楽しめるサイエンス読本であり、もっと多くの人に読んでもらいたいと思います。2011/12/24
Arowana
8
(メモ1)目から鱗。特に核物質と非核物質の化学反応の差異の知見(爆発力、熱E、毒性etc.の影響範囲や影響時間)が斬新だった。/広島・長崎に投下された原爆が実際に引き起こした核分裂反応により放出されたEは全体の約2%で、段階的な化学反応が適切に作用しないと核分裂が途中で止まってしまう(爆発と核反応は別)/TNTが他の物質より特別Eが高いわけではないのに威力があるのは、反応速度が早いから(放射能汚染がごく微量で緩やかな放出であればゆう毒性は低い。例:毒性が風化しない石炭の方が有毒であり、放射能の強度は自然的2017/05/19
T2y@
7
原子力に対する示唆がメインテーマ。 原発事故の前に書かれた内容ではあるが、綴られている「予期せぬ状況」とやらに、当てはめた時の見解を聞いて見たい。2013/06/29
naruo_homewood
6
エネルギー問題や原子力について、その原理や問題点などが一般人にも分かりやすく書かれていて非常に勉強になりました。今、世間で問題となり議論されている案件について、自分なりの意見を持つ際の科学的な基礎知識を与えてくれます。世間一般に報道されていることが、いかに偏見や視野の狭い意見になっているか、科学的な事実を無視した感情論になっているかがよく分かります。正に、この世界を生きていく上で必要な科学的知識ですね。2012/12/16