内容説明
おじさんのつくるりんごは、とびきりおいしいとひょうばんです。でも、そのりんごは、なんねんもなんねんもかかって、やっとできるようになったのです。不可能といわれた無農薬のりんご栽培にたったひとりで挑んだおじさんの物語。
著者等紹介
竹下文子[タケシタフミコ]
1957年、福岡県に生まれる。東京学芸大学卒業。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)で路傍の石幼少年文学賞を受賞。『星とトランペット』(ブッキング)でデビュー
鈴木まもる[スズキマモル]
1952年、東京都にうまれる。東京藝術大学中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)で赤い鳥さし絵賞、『ぼくの鳥の巣絵日記』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。鳥の巣の研究家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
92
この笑顔、印象的ですよね。自然栽培のりんごにすべてを賭けた木村秋則さんのドラマを再現した絵本。農薬で体調を崩した奥さんの姿をみて、周りの反対を押し切って新しいりんご作りを始めたおじさん。手探りで失敗を繰り返し、自然の声に耳を傾けながら少しずつ正解に近づいていく姿に勇気づけられます。何年か振りに実をつけたりんごは小さくて形も悪かったけど、美味しかったでしょうね。2008年7月初版。2015/10/12
chimako
65
少しだけ畑で野菜を作っているので農薬を使わない農業が如何に大変か分かるような気がします。作物は虫にも病気にも本当に弱い。お店に並ぶきれいなナスは数え切れない程薬をまきます。豆類につくかめ虫やアブラ虫はしっかり駆除しないとまるで売り物にはならないから強い薬も使います。自然の力を引き出すのは根気のいる仕事。これは話題になっ『軌跡のリンゴ』の絵本版。映画では阿部サダヲと菅野美穂が好演でした。無農薬栽培の果物は本当に軌跡です。でもみんながやれるわけじゃない。だからりんごおじさんのリンゴは特別美味しいのでしょうね。2014/07/30
papapapapal
30
6年生の読み聞かせに選んだ一冊。親から受け継いだ600本のりんごの木。農薬で荒れる自分の手に疑問を持ち、9年かけて無農薬栽培に切り替える、実話を基にした絵本。消費者は「薬を使わないで」「変なものを入れないで」と簡単に口にするが、生産者は収入を得て家族の生活を守りながら、受け継いだ木や土地を守りながら、先々の不安と戦いながら…だ。簡単ではない。 卒業を前にした子どもたちには「自分の生命力を信じて育って欲しい」というメッセージも込めたつもりだったが…伝わったかな…。2019/02/19
gtn
26
一念が揺るがなければ、必ず成就する。そして、大自然に敬意を表する。おじさんの哲学は、体験談であるだけに説得力がある。2023/03/20
ヒラP@ehon.gohon
23
小学校6年生に読み聞かせしました。苦労の末に肥料も農薬も使わない自然栽培を成功させた木村さんの実話に基づくお話です。読後の意見交換で、6年生の考える力の成長を実感しました。 やりがいのある読み聞かせに、とても気持ちをよくしました。2018/10/24