内容説明
今、明かされるジョン万次郎の新事実!四代目の著者しか知りえない手紙や日記、豊富な資料をもとにその波乱の生涯を描く!!日本の夜明けに大活躍した先覚者の伝記。
目次
1章 漂流
2章 外国
3章 帰国
4章 開国
5章 国内(前編)
6章 咸臨丸
7章 国内(後編)
8章 老後
末裔たち
著者等紹介
中浜博[ナカハマヒロシ]
1928年東京生まれ。万次郎直系四代目。学習院高等科(旧制)卒業。名古屋大学医学部卒業。スペインのマドリッド大学大学院修了。1957年心臓外科の研究で、医学博士(マドリッド大学)。聖母病院、東京厚生年金病院外科勤務。医学博士(名古屋大学)。1966年(名古屋)聖霊病院院長就任。同年名古屋に移住。中日病院、交通医療協会診療所長を経て、老人保健施設「和合の里」施設長。日本海事史学会会員
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感想・レビュー
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えみー!
11
「ジョン万次郎」=居酒屋しか浮かばなかったが、こんな凄い人だったんですねえ。 地理と年表に弱い私は、読みにくさもあったけど、 当時、海に出たために、運命を変えられた人々の生き方がいろいろで面白い。 まだ日本が鎖国状態にあったとき、万次郎15歳、漂流しアメリカ捕鯨船に拾われ、ホイット・フィールド船長がアメリカで教育を受けさせてくれるその懐の深さ。 そして万次郎の何事をも吸収する柔軟性と、運を引き込む力。そんなものがひたひたと感じられた。2014/04/03
Yasuko
2
ジョン万次郎の子孫の中濱博氏がこれまでの文献や中濱家に残る資料や話をもとに万次郎の人生を再構築したもの。万次郎関連では、井伏鱒二に始まり、山本一力、津本陽、マギー・ブロスと読み進んだがそれぞれにストーリーが違っていた。井伏鱒二版では万次郎が日本帰国後罪人のように扱われ不運な人生を送り、津本陽版では、アメリカで結婚していた。史実とちがう展開だったので読みながら?だったが最後にこの本で確認できてよかった。中濱家と万次郎を救ったホィットフィールド船長ファミリー子孫と5代に渡って交流が続いていることに心温まる。2023/11/28
redlorry
0
ビビル大木さんが勧めていたので読んでみました。面白かったくだりは、威臨丸の快挙のことである。日本人船員は初めての外洋出航で荒海に会いなにも対応できなかった。すべてアメリカ人の船乗りによる手助けだけであり、アメリカ人一向の功績に触れないのは、ジョン万やアメリカ人水夫の乗船に反対していた日本人関係者のメンツもあったからであった。このことに感謝の言葉を述べているのはジョン万と勝海舟のみである。2014/08/02