内容説明
鉄道を足に会津を巡る。どんな小駅にも、貨物列車が運用されていた名残があった。鉄道ブームと聞くが、格好よさだけが鉄道の魅力ではない。物資の動きはその地の経済の指標でもある。会津のローカル線でSLが貨物列車を牽いていたころ、消えるのは、変わるのは、この風景だと感じた。会津、否、日本中から貨物列車が消えた。ローカル鉄道の終焉の気配に、地域社会の今後を憂う。
目次
蘇る記憶
SL
磐越西線
日中線
只見線
会津線
桑原
著者等紹介
竹島善一[タケシマヨシカズ]
昭和10年東京生まれ。先代よりの稼業、うなぎ屋「ふな与」店主。著書、共著多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zhiyang
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只見線で途中下車した際になんとなく買ったら、存外良い本だった。鉄オタ向けにもっとアピールすればいいのにとすら思う。 雪。いきなり走行中の車両に雪崩が直撃した写真ではじまる。文字通り雪で埋もれた駅の写真に、会津の冬の厳しさを感じる。廃線含め会津近辺の路線が複数撮られ、白黒でSLだが昭和五十年代くらいの写真も多く、古いと言うほど古くもない。印象深いのはやはり只見線で、さすがに人々の服装なんかは違うだろうが、沿線の雰囲気はまだ現在にまで続いている。実際に列車に揺られ青々とした山を横目に読むと非常に臨場感がある。2025/05/23