内容説明
本書は、エリザベス一世の宮廷占星術師として、また当時のヨーロッパの第一級の数学者として、そして秘教的学問に精通した魔術師として知られるジョン・ディー(1527‐1608)の手によるものとされている偽書『金星の小冊子』或いは『金星の喇叭』のテクスト校訂と翻訳、そして注釈を根本的な主題に据えながらも、同時に、この小冊子の教理的背景となっているキリスト教カバラの宇宙論の明確な大系化を試みたものである。
目次
緒論
『金星の小冊子』
『金星の小冊子』の作者およびその成立時期、そしてその時代的背景についての考察
ユダヤの秘教的カバラとキリスト教カバラの宇宙論的機構について
セフィロトの流出過程と自然数の十進法的な進行経路の相関性から導き出される、階層的世界観の連結の仕方についての考察
緒言―『金星の小冊子』の表題紙に記された正式表題、金星の人格化された絵像、そして序詩についての注解を試みる以下の章についての緒言
「黒い金星」の宇宙論的意味と職能を吟味するために必要不可欠なヘレニズム後期の宇宙論についての研究
「黒い金星」の本源的な宇宙論的意味と職能、そしてその派生的な意味について
正式表題の下に描かれている金星の象徴的な絵像、および表題紙に於ける四行の序詞の意味について
結論
著者等紹介
森正樹[モリマサキ]
1954年生まれ。同志社大学神学部卒業。英国セント・アンドリュース大学大学院修了、M.Phil(Mode A)。専攻および専門分野は宗教哲学および宗教史
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