内容説明
脳梗塞や心筋梗塞をはじめとする脳・心臓疾患は、一般的には、本人の基礎疾患、体質、加齢、食生活、生活環境等の私的要因と密接に関わって発症するものが大多数です。しかし、業務に関連する異常な出来事に遭遇したり、日常業務に比較して、特に過重な業務に就労したことにより、基礎疾患が急激に著しく悪化することも医学的に認められているところであり、このような場合は業務が発症の有力な原因と認められ、業務に起因した疾病として取り扱われることとなります。平成7年2月、業務の過重性を客観的に評価するため新たに被災労働者と年齢・経験等を同じくする同僚との比較を考慮し、発症前1週間より前の業務についても総合的に評価する等を内容とする認定基準の改正を行い、さらに翌平成8年1月には「不整脈による突然死等」を認定基準の対象疾病に追加する改正を行いました。このように脳・心臓疾患の認定基準が改正されたなかで、労災認定の円滑な運用にとって、労災補償の関係者の方々の認定基準の趣旨に対する十分な理解が大変重要となってきます。本書は、このような観点から、脳・心臓疾患について認定基準の考え方、改正内容等の解説を行うとともに、過去における業務上又は業務外と認定された事例等を詳細に説明し、理解しやすいよう整理し掲載してあります。
目次
第1章 業務上疾病の認定
第2章 業務上の負傷に起因する脳・心臓疾患
第3章 業務に起因することの明らかな脳・心臓疾患
第4章 判例
第5章 参考資料
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