内容説明
もう絶対に繰り返さないために。まつりさんは、眼前に富士山を眺望する小高い墓地で、いま静かに眠りについています。わずか２４年でその生涯をとじた彼女の死を悼み、決してこのようなことが繰り返されてはならないとの決意をこめて！
目次
第１章 高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか
第２章 まつりと私の二十四年
第３章 電通に対する十の改革提言
第４章 過労死ゼロの社会を
著者等紹介
高橋幸美［タカハシユキミ］
１９６３年、広島県生まれ
川人博［カワヒトヒロシ］
１９４９年、大阪府生まれ。川人法律事務所所長。弁護士（東京弁護士会）。過労死弁護団全国連絡会議幹事長（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
54
モーニングショーの件で、“電通”といえばと思い出し、読んだ。電通に入社したばかり高橋まつりさんが、その年の12月。過労死自殺に追い込まれた――。本書は、まつりさんの母親と遺族代理人弁護士が、＜わずか24年でその生涯を閉じた彼女の死を悼み、決してこのようなことが繰り返されてはならないとの決意を込めて＞、長時間労働とパワハラ被害の彼女の勤務実態を明らかにし、電通に改革を迫った経過を出版。電通は「彼女が自殺したのは、失恋が原因」と世間を印象操作。今でも、母親を揶揄・中傷した記事がネットに散見するが、裏には……⇒2022/11/12
カモメ
5
まとまっていて読みやすかったです。セクハラ発言や、懇親会等の準備や年次別の支配といった、社会人一年目女性だからこそ被った被害や負担が見受けられました。今後は長時間労働を是正していくのはもちろんですが、適切な業務量や人員配置、無駄な業務をなくす、顧客からの過剰要求を断るといった取り組みによる余裕のある業務内容を実現し、パワハラセクハラといった企業体質を抜本的に改善していく必要性を感じます。まつりさんの発したSNSの発言や母幸美さんの「がんばらなくてもいい」という発言に胸が詰まります。2018/09/09
Humbaba
3
問題など生じない方が良いが、生じてしまったとすればその犠牲になった人を弔うために出来ることは二度と同じ過ちを繰り返さないことである。そして、過ちを繰り返さないようにするためにはまず問題がなぜ生じて、何が悪かったのかをよく認識する必要がある。それを疎かにしてしまえば、ずっと同じ過ちを繰り返すことになりかねない。2018/01/20
birdie-birdie
2
ごく普通の幸せを願っていただけなのに・・・。娘がまつりさんの高校の１つ後輩ということで、自死のニュースを見たときはショックでした。高校の頃から才色兼備でとてもやさしい先輩だったと言っていました。一人の社員の幸せすらかなえられない会社や上司に、多くの人々の幸福を追求する資格はないと思います。多くの人々が、まつりさんの生きていた証しを語り合っていくことが、過労死０の社会を築いていく一歩になると思います。2020/01/23
森田健作
1
何も過労死しなくても…2023/08/23
