内容説明
ルソー自身の言葉で綴る生涯と作品。パリの入市税関で働く日曜画家であったため、通称「税関吏ルソー」。19世紀後半に41歳でデビューし、展覧会に出した絵は子供が描いたようだと嘲笑されたが、詩人アポリネールやピカソらの称賛を受け、後年には高い評価を得る。今日でも多くの謎に包まれたルソーの書簡やインタビューなどに見える本人の言葉と、そこで言及される作品を集成し、画家自身にとっての真実を探る“オリジナル画文集”
目次
1844‐93―41歳のデビュー
1894‐1904―税関吏から画家へ
1905‐10―終の棲家で
著者等紹介
藤田尊潮[フジタソンチョウ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学博士課程単位取得退学。現在、武蔵野美術大学教授。専門は20世紀フランス文学、フランソワ・モーリアック、サン=テグジュペリなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
79
アンリ・ルソーの手紙や発言と共に作品をまとめた画文集。ピカソがルソーを見出したと言われているが、そのピカソに送った言葉「私たちはこの時代で、最も偉大な画家の二人です。あなたはエジプト風の絵で、私は現代的な絵で。」また、こんなことも言っていたようだ「幻想的な主題を描いていたある日、私は窓をあけなければならなかった。恐怖に駆られたのである。」絵を買って欲しいという手紙や、注文を受けたやりとりの手紙もある。素朴派と言われるが、心情は素朴ではなかったのかもしれない。絵でしか見ていなかったルソーの違う面を見た。2021/12/27
Koichiro Minematsu
63
皆さんの書評と同じく原田マハ氏の本を読んで、購入したものです。「夢」の絵は自室に飾っていますが、ジャングルの風景に惹かれます。植物園にしか行ったことがないとインタビューでルソーは明かしていることが分かりました。エキゾチックな国々の奇妙な植物を目にすると夢の中に入ったかのように感じると。ますますルソーが好きになりました。2021/05/15
fwhd8325
50
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」読んだときに購入しました。ルソー自身の言葉で綴られているこの作品。芸術家としてのプライドのような熾火がメラメラと燃えているようでした。この色彩の作品とは対比的な激しい感情です。ここまで、自分の作品にプライドを持たなければ、いい作品を創作することはできないのかもしれません。2019/03/12
Koichiro Minematsu
37
この季節になるとアンリ・ルソーの世界に会いたくなります。2022/05/29
ma
15
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」で読んで、こちらの本も読みました。ルソーの人柄が伺える手紙が面白くもあり、ちょっと切ない感じもしました。2017/04/30