内容説明
音の入替で語義を超える音のザーウミから、言葉の入替で文意を超える意味のザーウミへ、更に文脈を脱臼させる物語を妨害するザーウミへ。従来不条理文学と括られてきた後期散文作品まで、理知の先へと意志する言語的実践と捉える論攷。その鮮やかな論理展開は読むことの悦びを招来する。
目次
序章
第1章 変貌するザーウミ―オベリウ以前のハルムスの詩学
第2章 音のザーウミへの鎮魂歌―『エリザヴェータ・バーム』の源泉
第3章 ファウストの軌跡―オベリウ期のテキストにおけるモチーフの研究
第4章 分散と結合―粒子としての『出来事』
第5章 ハルムスは間違える―『老婆』における「妨害」としてのザーウミ
結論
著者等紹介
小澤裕之[オザワヒロユキ]
1982年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、関東学院大学講師。専門はロシア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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