内容説明
オランダ植民地期の19世紀末頃に中国から移民してきた「華人」を主人公にしたインドネシア現代史。熾烈な反華人暴動にさらされながらも「母なるインドネシア」を希求してやまない華人たち。ひたむきにインドネシア人として生きようとする思想の系譜が暗やみから光芒をはなち、インドネシアが戦争・革命を経て独立し、国家建設を目指して、多様な住民集団からなる「平等・一体の国民共同体」を作ってきた100年の軌跡を照らし出す―すべての思想の底流をなして、変容を重ねてきたインドネシア・ナショナリズムの姿を浮かび上がらせながら。
目次
序 インドネシアの国民統合と華人
1 華人問題の原型―植民地期(近代植民地支配への対抗運動と華人;インドネシア華人党PTIとコー・クワット・ティオン)
2 「インドネシア志向」への試練―激動期(戦争・革命・独立と華人―一九四〇~五〇年代;華人の同化論争―同化派、シャウ派、第三派;権力闘争との結合―バプルキ対同化派)
3 華人政策と矛盾の拡大―スハルト体制期(「同化」のねらい―新秩序体制成立期の華人政策;華人をめぐる動向と言説―一九七〇~八〇年代;カタストロフィへ―スハルト体制末期の変動)
4 新たな「インドネシア民族」へ―改革期(「インドネシア志向」のゆくえ―二〇〇二年の「大討論」;華人政策の転換と二〇〇六年国籍法)
著者等紹介
貞好康志[サダヨシヤスシ]
1964年福岡県生まれ。住友林業株式会社勤務を経て、インドネシア国立ディポヌゴロ大学へ留学。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程(単位取得退学)、学術博士(東南アジア地域研究)。現在、神戸大学大学院国際文化学研究科・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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