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内容説明
半年以上もの間、周りに全然気付かれずに二人の仲が進行して来たのは、かたくなに守り通したこの変わり身の演技と倶美や冴子との付き合いが適当に隠れみのになっていたからだと思っている。卒業までこぎつけてほっとしているのは、潤子だけではなく演技する必要のなくなった彼自身でもあった。校内で顔を合わせることがなくなれば、露見する危険性は半分以下にへる。彼女も同級生の詮索好きな視線がなくなって、もっと積極的になって来るであろう。それをどうコントロールして行くかがこれからの課題になりそうであった。(本文より)