内容説明
「成れの果て」には、かつては県会議員として男を売ったこともある人物が、そのために莫大な負債をかかえ、生活も放埓になり、妻にも家出され、いまやっているブローカーの仕事も展望がない、しかし、女にはもてるといったいかにも男くさい生活体験を積んだ主人公がよく出てくる。本書の4編にも、なんとか人並以上の生活、地位を望みながら、浮沈をくりかえす人間たちが、ときには強く、時にはペーソスをまじえて、あまり深刻にならずに、リアルに描きだされている。
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- 和書
- 国字の字典