出版社内容情報
《内容》 ■水が関与する生体内での生理現象についてミクロのレベルからやさしく解説する最新の入門書。全体は,六つの章からなり,前半では生体中の水の状態に影響を与える様々な現象について,後半では老化,病態のメカニズム,臓器の凍結保存といった水の状態と役割が関係する現象について,最終章では生体中の水の研究を飛躍的に進歩させたNMR法について,各々図,イラスト等を随所に挿入して明快に説明する。さらに要所要所に挟み込まれた肩の凝らない10編のコラムが読者の興味を持続させる。水に関心を持つ学生から臨床家,研究者まで手軽に読める恰好の入門書である。 《目次》 目次 1はじめに 2生理学と水溶液 2.1水と生命 2.2水の性質と動的状態 水分子と水素結合/水の性質/氷の結晶構造/水の動的状態 2.3水とイオン イオンの生理作用/イオンの水和/【コラムa】水和・水和数・配位数・動的水和数 /イオンの移動/【コラムb】similia similibus 2.4水と生体分子 水溶液中の糖の化学構造/糖の水和のダイナミックス/疎水性アミノ酸と疎水性水和 2.5疎水性相互作用 【コラムc】アルツハイマー病とアルミニウムイオン 3生体の水移動 3.1化学ポテンシャルと水移動 水の化学ポテンシャル/水の活量と浸透圧/膜を介した水移動 3.2}生体内ゲルと水 生体内ゲル構造/生体内ゲルの浸透圧/水分子の保持と多糖類ゲル構造 3.3ゲル構造の変化と水移動【コラムd】紙おむつの吸水と水保持 細胞間質ゲルにおける水移動/粘液分泌―ゲルの相転移}/膜透過 4細胞と水 4.1生体高分子の水和 球状タンパク質の水和/酵素の作用と水和/コラーゲンの水和/DNAの水和/生体高分子と低分子の相互作用 4.2細胞内の水の状態 細胞の水分量/細胞内の水の状態/赤血球およびミトコンドリア内の水 4.3水の構造化の因子【コラムe】筋収縮と水和 4.4細胞内のイオン 4.5チャンネル内での水の状態【コラムf】膜ポンプ説とA-I仮説 4.6水の性質と役割【コラムg】イオンの膜透過とチャンネル 5生体の水の役割 5.1加齢と水の状態変化 5.2組織の保存と凍結傷害 5.3重水の作用 5.4アルコールの作用【コラムh】慢性的な痛みの計測についての仮説 5.5病態と水 ガン細胞/全身的影響/脳浮腫 5.6麻酔現象 麻酔作用機序/ステロイド麻酔薬/アルファキサロン【コラムI】生体内で ``全身麻酔'' 類似の現象がある? 6プロトンNMRによる病態解析 6.1NMRの原理 核磁気共鳴/化学シフト/核磁気緩和/非侵襲性【コラムj】スポーツ医学とNMR 6.2イメージング 6.3体液分析
内容説明
医学や生物学を学ぶ学生を対象とし、水が関与する生理現象についての入門書。本書で述べる内容や考え方は、医学や生物学にかぎらず、薬学や食品工業、環境科学などの広い分野の研究者や技術者に役立つ。
目次
生理学と水溶液
生体の水移動
細胞と水
生体の水の役割
プロトンNMRによる病態解析