内容説明
食べものを拒み、時には命さえ失ってしまう女性たち。彼女たちは拒食によって別の生きかたを訴えているのだ。
目次
第1章 拒食症の神話
第2章 拒食の女帝、シシィ
第3章 アンティゴネーの選択
第4章 シモーヌ・ヴェイユ
第5章 シエナの聖カテリーナ 教会博士
解説 拒食症とは何か(松本卓也)
著者等紹介
加藤敏[カトウサトシ]
1949年、愛知県生まれ。1975年、東京医科歯科大学医学部卒業。1982年、自治医科大学精神医学教室講師。1985~1986年、フランス政府給費留学生としてストラスブール大学医学部精神医科教室にて研究に従事。1994年、医学博士号取得。2000年、自治医科大学精神医学教室教授および科長に就任
向井雅明[ムカイマサアキ]
1948年、香川県生まれ。パリ第8大学精神分析学科DEA修了。精神分析家
佐藤鋭二[サトウエイジ]
1960年、青森県生まれ。慶應義塾大学法学部および文学部(仏文科)卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
45
【拒食女性たちを、病的なほどに痩せなければならないという衝動に駆りたてる力とは何なのだろうか?】伝説的な4人の人物(オーストリア皇妃シシィ、ソフォクレスが描いたアンティゴネー、哲学者シモーヌ・ヴェイユ、シエナの聖カテリーナ)を語りつつ、拒食症とは何かの糸口を探る書。<あらゆる思考や行動が欲求を満たすためになされるという人間の必然性が支配する世界において、拒食女性は肉体の生理的な欲求に応えることをきっぱりと拒んでいる>。1987年に刊行され、2012年に邦訳。原題直訳は『飼い慣らすことができない女性たち』⇒2023/02/25
はすのこ
9
シモーヌ・ヴェイユのエピソードがとても面白かった。印象に残る詩的文章も多い。タイトルのインパクトが強いよなぁと読後、改めて思う。2017/05/08
もけうに
3
拒食症の話目当てで読むと肩透かしを食らう。元が古い本だから、摂食障害に対する捉え方も前時代的。でも、思想・哲学・精神分析・世界史の本として読むと、十分面白い。食事というのはとても生物的なことなのに(それが故に?)、宗教や思想と密接な関係にあるよなあ。自分の思想を一番「体を張って」表現できる行為だからかな。食事に拘りだすと、変に宗教的になるよね。私の場合は日本の米信仰の凄さ(主食という概念自体がもう宗教的)に気付かされ、そのことに無自覚な人が多いことに妙に苛々して、米は食わん!と意地を張りたくなってるしw2013/11/08
真夜
0
拒食症についてのレポート参考用に。後で書き足します。