内容説明
宗族=父系承継400年の記録を繙く。香港新界の一族譜資料を史料批判的に吟味し、統計的手法により人口動態を数値化。その「点と線」を人類学的に分析。14世代にわたる家族のかたちの詳細を具体的に明らかにすると同時に、系譜を書き継ぐこと=男系出自の永続を求めた人々の、規範意識の根源に迫る、画期的業績。
目次
第1章 本書の目的と方法(本書の目指すもの;本書の研究手法)
第2章 族譜の分析から何が見えるか(族譜の真実性と仮構性;族譜から見える宗族の人口動態;族譜における連続性への希求とそれを支える価値意識)
第3章 族譜から「家族」はどこまで見えるか(家族形態の経年変化;寡婦事例の分析;「承継」「附祭」の具体事例の分析;再婚・側室事例の分析)
第4章 もう一つのW氏族譜(「総譜」と「支譜」の比較;「支譜」に見る家族構造;「支譜」と文節共有財産)
第5章 本書の結論
資料編
著者等紹介
瀬川昌久[セガワマサヒサ]
1957年、岩手県花巻市生まれ。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。国立民族学博物館助手、東北大学教養部助教授、同大学文学部助教授等を経て、1996年より同大学東北アジア研究センター教授。学術博士(東京大学、1989年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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