内容説明
「幻の橋」が土に還る、その瞬間がおとずれるまで。撮り続けて十余年。その橋は一度たりとも同じ表情をみせることはない。
著者等紹介
岩崎量示[イワサキリョウジ]
1979年埼玉県生まれ。2002年立教大学経済学部経営学科卒業後、2005年に北海道上士幌町に移住し、まもなくタウシュベツ川橋梁を撮影し始める。現在、タウシュベツ川橋梁の撮影を続けながら、北海道の厳寒が織りなす光景や東大雪の風物など、その土地の持つ文脈を現す被写体を撮影対象に広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
139
写真集。言葉は要らない。ただそこに有る。2、3年で崩れるだろうと言われた橋の記録。撮った方は埼玉県出身で北海道に移住されたそうだ。そこは上士幌町、糠平湖にある。2018/03/02
わっぱっぱ
34
たった十八年利用された後、用無しとされ水底に沈んだ橋梁。ダムの水位が低くなる時にだけ姿を現す、まさに幻の橋だ。祭壇でもモニュメントでもないコンクリートの塊に胸を打たれるのは、この橋と私が同じ時間ーーある日ふいに消えてしまってもなんの不思議もない稀有な瞬間の連続ーーの中に存在しているということに気付かされるからだろう。2018/08/09
不識庵
12
青葉繁るなかに架かる姿は、その先にホビット庄があるかのような景色である。長い旅から帰るフロドとサムを迎えるように、橋は架かる。頭上に満天の星を仰ぐと、まるで汽車を銀河へ送る滑走橋である。しかし所々に剥き出している鉄筋は、この橋が崩壊の途上にあることを伝えている。湖中に没入し、また現れる姿を後どれくらい見られるのだろうか。貴重な姿を伝える写真集である。2018/10/11
あられ
1
朽ち果てていくもの…凛とした佇まい。なんと言葉にしたらよいのだろう…?2018/05/28
サボテンA
1
ただただ美しい。朽ち果てる前に見に行こう。2018/04/12