闇に眠る骨であるわたし

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784894190870
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

骨になっても…、ぼくの声が君に届くまで生き続けると男は思った。血縁という呪縛の中で女は待ち続けた。闇の中、現代人はいかにして光を見出しうるか。数奇な運命に翻弄された大純愛スペクタクル。

著者等紹介

菊池英也[キクチヒデヤ]
1958年、栃木県宇都宮市生まれ。青山学院大学文学部卒業。専門新聞編集の傍ら執筆活動を続ける。『マザーズ・ベッド―呼び醒まされる記憶』で第24回新風舎出版賞優秀賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

*maru*

34
大聖堂の一角、閉ざされた闇の中で目覚める私─〈思考する骨〉は語る。そして想う、彼女のことを。医者になることを夢見たガブリエ少年。彼が歩んだ波乱に満ちた人生を静かに語るのは骨であるガブリエ。タイトルや装丁からもっと幻想的な物語かと想像していたが、求めていたものとはちょっと違った。しかし設定はとても魅力的だし、“骨”らしい乾いた雰囲気を醸し出す語り口も良かった。肉体が滅びても、思考は生き続ける。数奇な運命に翻弄された一人の男が闇の中で得たものは、この上ない幸福感だった。ガブリエに、安らかな眠りを。2018/12/28

優希

5
凄く胸がときめき、雷に打たれたような衝撃に満ちていました。「私は骨だ」という出だしからして素敵です。骨として眠る「わたし」が語る物語ですね。医学生だったガブリエとフニスのはかない恋と引き裂かれた2人。その後、ガブリエは医師として、研究者としての時間を淡々と過ごしていきます。時は経ち、やがて思考する骨となったガブリエ。このとき長い年月を経てフニスと再会することになるのですが、フニスの時は止まっていたように思えました。中世のフランスの香り、淡々とした中の甘さと危険。全てが美しかったです。2014/01/19

くみ

2
「私は骨である」最初の一文でまるで雷に打たれたかのような衝撃を受けました。こんなにまで悲しく優しい物語は久々です。日本人作者ですが、どこかフランス文学を思わせる文体も素敵です!

ゆう

1
私は骨だ、という衝撃の告白に胸がときめいたが、骨たる私の生まれてから骨になるまでを淡々と語られてそのまま最終章へ突入。トキメキは萎えていった…。海外の舞台作品みたいな狙いなのかなぁ。2013/06/13

koyapy

1
たぶんフランス革命時代の話。ガブリエとフニスは恋仲だった。しかし時代の流れによって二人は引き裂かれる。時は経ちガブリエは死んだ。しかし思考を持つ骨になり。フニスと再開することになり。。。あ、本の表紙には女性が骨を持ってるけど、話の中ではそういう場面は訪れません。訪れればまた話は変わったはず。。2010/07/27

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