内容説明
神道の目的を、「宇宙全体の理解」に求めうるとすれば、神道の本質は、「神ながら」、つまり宇宙意識との一体化であった、といえる。幕末から明治にかけての、激動の時代的渦潮のなかで、変革の時代精神は、こうした宇宙意識との感合をはかった神道家・国学者たちに兆した。しかし、彼らの理想とは裏腹に近代化は、日本的霊性の否定と抑圧・幽閉をもたらす。本書は、忘却の彼方に埋没した10人の霊性の発掘・評価と、現代へ連続する霊学思想の人脈・霊脈を「複眼」の視点から描いたものである。
目次
第1章 梅辻飛騨守の神道論
第2章 「霊主物従」の実践的思想家・佐藤信淵
第3章 「本学」の創唱者・大国隆正
第4章 観相学から霊的食養道の開祖へ・水野南北
第5章 霊学の嚆矢・平田篤胤
第6章 鎮魂帰神法の再興者・本田親徳
第7章 神仙として幽界探訪した神道家・宮地水位
第8章 民俗学の最終段階としての柳田国男の〈新国学〉
第9章 川面凡児の〈日本最古の神道〉
第10章 高島嘉右衛門と「高島易断」
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