出版社内容情報
ハンブルクからニューヨークへ
小さなネズミが、大西洋を飛んだ!!
知りたがりやの小ネズミは、人間の本を読むのが大好き。天敵のネコやフクロウに狙われたり、数々の失敗をくりかえしながら、小さなパイロットは、海をこえてアメリカへと向かいます。
著者等紹介
クールマン,トーベン[クールマン,トーベン] [Kuhlmann,Torben]
イラストレーター、絵本作家。1982年、ドイツ生まれ。ハンブルク応用科学大学で、イラストレーションとコミュニケーション・デザインを学ぶ。在学中に『リンドバーグ―空飛ぶネズミの大冒険』を描きはじめ、初の絵本となった。2014年、ドイツ語と英語で刊行され、20の言語に翻訳されて、世界中で話題となる
金原瑞人[カネハラミズヒト]
翻訳家、法政大学社会学部教授。1954年、岡山県生まれ。児童文学、ヤングアダルト向け作品を中心に精力的に海外文学の紹介を行い、訳書は400冊を超える。書評、エッセイなどでも活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanegon69@凍結中
180
トーベン・クールマン、またしても若き才能を見つけてしまった。絵本のベースとなるのは、チャールズ・リンドバーグの偉業。大西洋無着陸横断単独飛行で成功した人物の話にインスパイアされたこの絵本は、仲間を求めて子ネズミが飛行機を製作してアメリカへ旅立つというもの。ストーリーもロマンを感じるが、絵の迫力が凄い。リアリスティックを感じさせる絵もあれば、ノスタルジックな絵も。スピード感、立体感、すごい迫力。ニューヨークを眼下にした絵が一番気に入りました。このイラストレーションはとても私好みです。今後の作品も期待したい!2020/01/11
小梅
178
いやぁ〜素晴らしかった。画力が凄い!主人公の子ネズミはもちろん、猫や梟。そしてリンドバーグ少年の後ろ姿が良い!2015/09/14
KAZOO
167
この絵本は大人のためのような絵本だと思います。結構長編で小さなネズミが自分でコツコツと部品などを集めて飛行機を作りそれに乗って、ということで勇気を与えてくれる本だと思いました。フクロウをものともせずに、自分のやりたいことをやるという気持ちを与えてくれます。何度も読みたくなる本でした。2016/06/03
masa@レビューお休み中
165
カフェで見つけた絵本。金原さんが翻訳していたので、勇んで読んでしまいましたね。絵も美しいし、物語もタイトルの通り、ネズミの大冒険で、読んでいるこちらがハラハラドキドキしてしまうんですよね。何度も、何度も空を飛ぶために飛行機をつくりチャレンジするネズミ。まるで、映画のドキュメンタリーを観ているような気持ちになってくるんですよね。あれ?もしかした、史実に基づいてつくられた物語なのかも。正確ではないので、詳しくは物語を見て、確認してみてください。2016/01/11
のっち♬
162
1912年ハンブルク、賢いねずみは仲間を求めて大西洋横断飛行に挑戦。静かな美しさと重厚感を湛えた緻密な作画は卒業制作にしてショーン・タンすら彷彿とさせる。同胞の大虐殺や監視される脅威は迫害の歴史を想起させ、それ以上に飛行機の発明と冒険への情熱がフォーカスされる。歴史的人物をモチーフに「小さな者でも大きな事を成し遂げる」コンセプトで、強迫的背景は挑戦者が負うプレッシャーの具象でもありそう。コウモリ由来の着想はドイツ特有。つぶらな瞳を輝かせる愛らしい仕草や直向きな試行錯誤が醸し出す躍動感は大人も魅了する風格。2023/05/30