内容説明
あなたが、人生の最期に聴きたいのは誰の曲?アリス、サザン、達郎、オザケン、クイーン、そして、ビートルズ…。恋するラジオに誘われて、時空を超えた音楽の旅が今、始まる!懐かしくも甘酸っぱい、著者初の「音楽私小説」。
目次
A(東大阪のアリス;大阪上本町のクイーン;早稲田のレベッカ;川崎溝ノ口のロッキング・オン;半蔵門の吉川晃司;武蔵小金井の真島昌利)
B(阿佐ヶ谷のサザンオールスターズ;原宿の小沢健二;みなとみらいのRCサクセション;川崎駅前の加藤和彦;ふたたびの早稲田と山下達郎;ふたたびの東大阪と細野晴臣)
著者等紹介
スージー鈴木[スージースズキ]
1966年大阪府東大阪市生まれ。大阪府立清水谷高校卒業、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。音楽評論家、野球評論家、野球音楽評論家。サラリーマンの傍ら地味に評論活動を続け、アラフィフとなった数年前より、次々と著書を出版。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むぎじる
40
BS12「ザ・カセットテープ・ミュージック」のMCであるスージー鈴木さんの小説。ハガキ職人に憧れる小学生のラジヲ君(スージー鈴木)から、モヤモヤ期を過ごしながら、自分の好きな音楽に携わる道を選び未来に向かう物語。過去に時を戻してくれたり、落ち込んだ時に寄り添ってくれたり、音楽は心に作用し続ける。音楽の楽しみ方も変化しているが、その中でもラジオでの楽しみ方は特別だ。リクエストした曲がかかった時や、聴きたいと思った曲が偶然流れてきた時の高揚感は、ラジオとリスナーとの距離をグッと縮めてくれる。楽しい読書だった。2020/10/30
ライアン
16
学年でいくとスージーさんの2個下になる自分にとってはたまらない内容。遠い北海道からヤンタン聴いてたし。わかる音楽もあればわからない音楽もあった。「1985」は自分も鴻上さんのオールナイト聴いていたので懐かしい。「あの素晴らしい愛をもう一度」ってあんなに悲しい歌だったんだな2020/09/12
cithara
12
以前、本書の著者スージー鈴木さんがラジオにゲスト出演しているのをきいたことがある。1980年代の日本の歌謡曲について語っていた。私もラジオ好きなので本書を大変面白く読んだ。でも好きだったラジオ番組や歌手が私とことごとく合わないので笑ってしまった。洋楽ひとつとっても、私はクイーンやビートルズ等はカルくスルー。私はABBA等スージーさんが鼻で笑ってしまうようなバンドが好きだったから。スージーさんは渋谷陽一氏に傾倒していたらしい。私は一度友だちにつきあって渋谷陽一氏のトークショーに行ったがよく分からなかった。2021/08/05
きつねねこ
12
しみじみいい小説だった…。語られるのは音楽に絡めた著者の個人的エピソードで、同じ音楽を聴いて来た同世代の読者には勿論それだけで堪らないだろう。が、(やや老年期の見え始めた)中年期から子供時代や少年期の自分を回想するその想いの馳せ方や、親の死をとりあえずは受け容れつつも寄るべない喪失感を抱える様、そして自分の行く末をかくあれと願う気持ち。それは、著者とは違う音楽とともに生きて来た読者にとっても胸に迫る普遍性があるのではなかろうか。この小説を書いてくれてありがとう、と著者に伝えたい思い。2020/10/22
しん君
11
『ザ・カセットテープ・ミュージック』で本書を知る。テレビで音楽への熱き思いをマニアックに楽しそうに語る姿が印象的なスージーさん。アリスに会いに行ったり多重録音でアルバム制作したりと人並み外れた音楽好きであることがよく分かった。好きが高じて丸の内のサラリーマンを経て音楽評論家へ。同世代なので「スゴいなぁ~」の一言。洋楽について少し触れていたが、確かに老いてくると邦楽しか聴かなくなった。メルマガ連載を加筆した自伝的音楽エッセイ。2020/12/25