目次
第1部 資本の運動の現代的特徴(21世紀日本製造業の大企業と中小企業;自動車産業のグローバル化とトヨタ生産方式の相対化;なぜ製造業企業はサービス活動に注力するのか;アメリカ航空産業の規制緩和とグローバル化;デフレ下における日本の流通の特徴;新自由主義と現代会計;環境問題に直面する現代資本主義)
第2部 現代資本主義と日本社会(ブラック企業はなぜ生まれたのか?;日本における外国人労働者―ニューカマーの25年;不安定化する世界農産物市場と日本の農業・食料;地域間格差の拡大と財政;グローバル化と税制改革;労働市場と労使関係の「スウェーデン・モデル」;共同性の復権―歴史における共同体と市場)
著者等紹介
豊福裕二[トヨフクユウジ]
1971年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。現在、三重大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
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面白かったのは生産のモジュール化について。まず日本の電機産業が中韓に敗退した理由を解説する。組み立てだけのモジュール化で、コスト競争に勝った中韓のメーカー。原材料から製品化まで一貫した垂直統合型のシャープやソニーのビジネスモデルではグローバル化に対応できなかったのだ。対して作り込みの求められる自動車産業はモジュール化よりトヨタ生産方式に利があった。ところが、フォルクスワーゲンはモジュール化に成功しており、トヨタも安心はできない。海外では国内生産より利益率の悪いトヨタ。人件費よりトヨタ哲学の理解度の影響だ。2015/06/10