目次
序論―中国古代史研究における家族史研究の位置づけと研究課題・研究方法
第1章 中国古代家族史研究の現状と課題
第2章 出土簡牘にみえる「室」・「戸」「同居」をめぐる諸問題と「家族」
第3章 出土簡牘にみえる「家罪」および「公室告」・「非公室告」―秦漢時代における「家族」の居住形態
第4章 歯・前漢初期の律令にみえる女性戸主
第5章 秦律・漢律にみえる奴婢―国家的身分と社会的身分
第6章 秦漢時代の簡牘にみえる家族関連簿集成稿
著者等紹介
多田麻希子[タダマキコ]
東京都出身。2016年、専修大学大学院文学研究科歴史学専攻博士後期課程単位取得満期退学。2019年、博士(歴史学)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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でんきひつじ
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統一秦および前漢初期の家族の形態について主に出土史料を基に考察している。著者の博士論文をまとめたもので一般向けの本ではないみたいだから慣れていないと読みにくいところはあるかもしれないけれど、そこを乗り越えられればとても面白い。出土史料における刑罰の記録から当時の一般民衆の家族構成を推察して、よりミクロな視点で古代中国世界を考察している。戸籍システムや実体としての農村の家族構成、それに相互扶助のシステムはどこまで及んでいたのか、等々とても興味深い論考が展開されている。2025/01/21