感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hikarunoir
11
主人公の職業、訪問先の異常な美女、妻の不可解な死、構造的類似だけでなく、よりソリッドに内省を突き詰めた結果が「死ぬほどいい女」になった予感。2023/11/28
中海
8
毎回同じことを書いている気がする。「あらすじはよくある感じで安っぽいだるいドラマ」。 しかし何冊も何冊も再度手にとってしまう、魅力魔力妖力。 書かれた年代は1950年位。古き良きアメリカの匂いもしっかりありつつ、「今感」「俺ら感」。 色々とてもシンプルな材料で作られているからこその、センスの良さ。 他の誰がやっても、「なんか嘘くさい」「なんかわざとらしい」「どうでもいいけど全然面白ない」という危険な道を華麗にすり抜けるジム・トンプソン。多分次回も同じこと書く。2024/01/17
teddy11015544
8
ハードボイルドの系譜。2023/12/23
co_taro
7
『妙ちきりんなやつらだ、と思った。妙ちきりんばかり1万人いやがって、まともな人間はひとりもいやしない』って、それどんな世界?一癖アリな登場人物たちに幻惑され、読んでいると日常と狂気のはざかいが限りなく曖昧にというか、その世界に自分が侵食されていく不安感に沈む。愛してるがとっくに破綻していてシンプルにレールを外れる主人公、アバズレ沼を抜け出す代償は、何者からも追われる身。でも窮鼠極まるその絶望すら楽しんでいるのか?ってのがトンプスン味なんかな2024/11/04
shimuratakeda
7
ジム・トンプスンは『ポップ1280』を読んで、へんなの!と思いつつもハラワタのあたりがささくれ立ってくるような味わいがあったから気になる作家。今作もクライムノベルというかノワールというか単純なスジなんだけど、相変わらず不愛想でぶっきらぼうな文章で所々わかりづらい箇所もありつつ、舌の上にビターなざらつきを残してくれたのでした。2024/03/11