フィクションのエル・ドラード<br> 人工呼吸

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フィクションのエル・ドラード
人工呼吸

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784891769581
  • NDC分類 963
  • Cコード C0397

内容説明

19世紀のロサス時代に活躍しながらも、亡命先で言葉を遺し続けたエンリケ・オソリオ。演説中に撃たれ、言葉を口にすることしかできない元上院議員ドン・ルシアーノ。二人の人物に関心を寄せ、書簡を交えて歴史を再構成するエミリオ・レンシとその叔父マルセロ・マッジ。そして戦火を逃れ亡命してきたポーランド人タルデフスキ。錯綜する登場人物たちの言葉の背後に見え隠れする死の影とは…祖国の未来を照射する書簡体小説の第一部から、“語りえぬもの”について語られる第二部を通して、封じ込められた歴史の運動に息を吹き込む現代アルゼンチン文学の傑作。

著者等紹介

ピグリア,リカルド[ピグリア,リカルド] [Piglia,Ricardo]
1940年、アルゼンチンに生まれる。早くからスペイン文学やアルゼンチン文学、北米文学に親しむ。国立ラプラタ大学では歴史学を専攻する一方、短篇小説や評論の執筆にも手を染める。デビュー作となった短篇集『侵入』(1967年)から代表作『人工呼吸』(1980年)を経て最新作『イダの道』(2013年)にいたるまで、創作と批評の融合にもとづく独特の作風は内外から高い評価を得ている。『夜の標的』(2010年)でロムロ・ガジェゴス賞やマヌエル・ロハス賞を受賞

大西亮[オオニシマコト]
1969年、神奈川県生まれ。神戸市外国語大学大学院博士課程修了(文学博士)。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻、ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ユーカ

27
これは…スゲェ。恐ろしく沢山の多岐に渡るジャンルのエピソードがスライドするように入り込んできて、自分が物語のどこにいるのか全くの不明になった。美しい幻想、アルゼンチンの歴史・文学史、ウィトゲンシュタインetc.何度も挫折しそうになったけれど、カフカとヒトラーについて綴られている部分を読み、最後まで読み切った時に、迷宮を抜けてその要塞のような佇まいを振り返っているような深い深い満足感があった。そして、前よりもカフカが好きになった。本書で語られるアルルトをこれの前に読んでいたのも、面白い偶然だった!2016/05/01

fishdeleuze

23
第一部は書簡、第二部は改行がほとんどない会話(というよりタルデフスキの独白)という形式で物語が進む。ぎゅっとエネルギーが凝縮されて詰まっているような本で、ボルヘス、カフカ、ヒットラーらの著作から引用がなされつつ語られるのだが、どうやらその引用さえも虚実混交したもののようで、史実と虚実とが二重らせんのように相対し、絡まり、大きなうねりを持った小説となっている。そこでは虚も実も相まって奇跡的な物語が語られる。ものがたるとはまさにこういうことをいうのだろう。2015/11/27

ksh

11
過去の延長としてでしか人間は現在を、未来を生きられないということを証左するように、物語は語られてゆく。書簡、独白。それは過去を語るすべであり、同時にそれ自体、現在を無視しては語りえないことでもある。だが、語りえないことは常にあり、それは一つのベールに包まれ続ける。この小説はあらゆる語りを用いて、そういった語りえないことを語ろうとする儚い試みなのか。歴史や文学論、哲学を縦断しつつ、アルゼンチンという眼を通してピグリアは雄弁に沈黙することを選ぶ。無視出来ない作品にまた出会ってしまった。要再読。2016/11/22

gu

10
素晴らしく要約の困難な小説だった。第一部、第二部ともにわからないながらも異様な興奮を覚えて読んだ。主人公と叔父の往復書簡、「上院議員」の独白、先祖の手記と彼が構想していた未来からの書簡体小説、そして彼らの手紙を「解読」する謎の人物。これらの重なり合いが作品内の階層も時間もねじまげる第一部はエリクソンの『黒い時計の旅』を思い出した。第二部の入り組んだ語りとボルヘス的な詐術で現れる、カフカとヒトラーにまつわる妄想の歴史は圧巻。「彼は聞くことができるのでしょうか?」の繰り返しに震えた。2015/12/04

渡邊利道

5
80年刊行のアルゼンチン作品。ある若い作家が、失踪した叔父を求めていろいろな証言の時空を彷徨う。引用と模倣と虚構(アルゼンチン文学にセルバンテス、ヴィトゲンシュタイン、ゴンブロビッチ、カフカ、ヒトラーまで)をおりまぜた虚実の編目を縫って、軍政下での歪んだ語りをポストモダンの技法に昇華しつつ、ヨーロッパの歪んだ鏡像としてのアルゼンチン文学のアイデンティティーを指し示しているかのようで、強度を失わない洗練というものを垣間見せてくれる。ボルヘスがこれを読んだらどう思うだろうかなかなか興味深い。2017/02/16

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