内容説明
生誕百年を迎え、新たな観点で論じられつつある、二十世紀フランスの稀有の小説家ジュリアン・グラック。この「最後の古典作家」の散文のダイナミズムと現代性をグラックのテクストとインタビュー、日仏の研究者による詩・エッセイ・論文等によって浮き彫りにする。詳細な年譜と著作解題を付す。
目次
落炎樹―ジュリアン・グラック生誕百年に(天沢退二郎)
悪夢(ジュリアン・グラック)
『花文字』抄(ジュリアン・グラック)
言葉の中の密室(安藤元雄)
見かけとちがう石(堀江敏幸)
ジュリアン・グラックはまずもって風景画家である(ミシェル・トゥルニエ)
何か戻ってくるもの、当たり前のもの、死なないもの(ピエール・ミション)
作品の発表はやめても、書くことはやめていない(ジュリアン・グラック)
ジュリアン・グラックは歴史を前にして(ミシェル・ミュラ)
散文芸術としての『シルトの岸辺』(塚本昌則)
ジュリアン・グラックの倫理(パトリック・マロ)
ジュリアン・グラックのロートレアモン論(永井敦子)
世界の大管絃楽の母なる脈動―グラックの小説における音楽の場所(三ツ堀広一郎)
ジュリアン・グラックにおける冒険(マリアンヌ・ロレンジ)
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- 和書
- 利根川図志 岩波文庫