内容説明
夏目漱石、島崎藤村、泉鏡花など、近代日本の文豪たちに触れて、小島信夫の精神が踊り始める。平凡なエピソードから“事件”までを綿密に読み解くことで、時代のベールが少しずつはがれていく…。作家評伝の決定版。
目次
永遠の弟子―森田草平
順子の軌跡―徳田秋声
狂気と羞恥―夏目漱石
美貌の妻―森鴎外
女の伊達巻―有島武郎
東京に移った同族―島崎藤村
男子一生の事業―二葉亭四迷
不易の人―岩野泡鳴
其中に金鈴を振る虫一つ―高浜虚子
平坦地の詩人―田山花袋
明治の弟とその妻―徳冨蘆花
渋民小天地―石川啄木
闇汁―正岡子規
多佳女の約束―続夏目漱石
神をよぶ姿―泉鏡花
同じ川岸―近松秋江
ひとおどり―宇野浩二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tonex
3
俎上に載せられた作家は、森田草平、徳田秋声、夏目漱石、森鴎外、有島武郎、島崎藤村、二葉亭四迷、岩野泡鳴、高浜虚子、田山花袋、徳冨蘆花、石川啄木、正岡子規、泉鏡花、近松秋江、宇野浩二の16人。評伝の内容は、彼らの生涯や小説に見られる男女関係(夫婦、娼妓制、姦通など)が中心。小島信夫の興味・関心の方向性がよくわかる。2015/03/12
yoyogi kazuo
1
日本近代文学の作家についての評伝。作家でもある小島信夫の近代小説家に対する見解は傾聴に値する。徳田秋声、近松秋江を高く評価しているのには納得。田山花袋の「蒲団」についての見解が特に興味深かった。谷崎や川端や芥川が含まれていないことにも妙に納得。2021/06/16
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