内容説明
プラトーンにより「十番目の詩女神」と称えられたレスボス島の詩人の、謎多き生と詩的世界。そのほとんどが失われたなかで奇跡的に現存する詩句を訳出し、さらに、長き時を経て伝説化した生涯と作品に精細な筆致で光を当てる。
目次
サッフォー詩集
サッフォーの生涯と作品(伝説の中に生きる詩人;詩女神の島レスボス;時代背景と環境;出自・家庭環境・詩人の容姿など;「詩女神の侍女たちの館」―サッフォーと少女たち;「サッフォー問題」あるいは「レスビアニスム」;悲恋伝説―レウカスの巌よりの投身?;サッフォーとアルカイオス;文学の中に生きるサッフォー;作品の運命―テクストの成立、堙減、復活の経緯など;美とエロースの苑―サッフォーの詩的世界;伝え得ぬもの―サッフォーの詩の翻訳について;わが国におけるサッフォー―上田敏、日夏耿之介、呉茂一の訳業について)
著者等紹介
沓掛良彦[クツカケヨシヒコ]
1941年、長野県に生まれる。早稲田大学露文科卒業。東京大学大学院博士課程修了。東京外国語大学名誉教授。文学博士。もと西洋古典学専攻。廃業後、狂詩・戯文の制作に従う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひいろ
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サッフォーの詩、本当に美しくて感動した。ギリシャ神話の世界観と、女性たちや自然の描写は幻想的で柔らかい雰囲気なのに対し、恋の心情は激しく、共感できるのもすごい。紀元前にも女性に女性として恋し、こんなに今の人と同じ気持ちを抱いていた人がいるのか!恋はいつの時代も同じなのかもしれない。ほぼ分かっていない本当のサッフォーについてと、サッフォー伝説の変化も面白かった。こんな事を言っても仕方ないけれど、キリスト教徒による焚書が無ければもっと沢山の作品と、サッフォー本人についても分かっていただろうにと思うと悔しい…2024/08/21
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