内容説明
ネーデルラントの画家、ヒエロニムス・ボス。その作品に盛り込まれた謎に満ちた造形を、従来の説をふまえつつ図像学の立場から独自の解読を試み、中でも隠し込まれた幾何学的思考について、文字と数字のシンボリズムとして解明してゆく。豊富な図版とあわせ、美術史・図像学・ルネサンス史研究において資料的価値高い一書である。
目次
はじめに
第I部 ある世俗祭壇画のミステリー
第1章 愚者の船
第2章 放浪者
第3章 死と守銭奴
第II部 『快楽の園』のファンタジー
第4章 フクロウ
第5章 木男(トゥリーマン)
第6章 Y字のシンボリズム
第7章 数字のシンボリズム
第8章 モリスダンス
第9章 ワイルドマン
第III部 病いのリアリティー
第10章 一角獣伝説
第11章 「疫病」のシンボリズム
第12章 愚者の治療
第13章 奇形の図像学
むすび
あとがき
図版出典一覧
主要参考文献
人名・地名索引
事項索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akito Yoshiue
10
価格相応のボリューム。読むのに時間がかかったが、図版が多く楽しめた。2020/01/01
kaz
0
図版を中心に読み飛ばした。技量という点でボスの絵がすばらしいと思ったことはないが、その暗示するところやイメージはすごいと思う。日ごろ画集でコメントをざっと眺めているが、その裏にはこのような研究の成果があるというのがよくわかる。図書館の内容紹介は『ネーデルランドに生まれた奇想の画家ヒエロニムス・ボス。その謎に満ちた造形を、従来の説を紹介しつつも、図像学を駆使して独自の解読に挑む。隠し込まれた幾何学的思考を文字と数字のシンボリズムとして解明する』。2020/11/28
ヒラタ
0
作品の解説だけではなく、ボスの絵画を産み出した土壌にも書かれていて勉強になりました。文字から文字へ祭壇画の中で結ばれる線と視線の遊戯と称される線も興味を持ちました。ボスとレオナルドが会っていたらには想像が膨らみました。2020/05/24
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