内容説明
ジョン・マッケンローを引退させた男、そしてアンドレ・アガシをウィンブルドンで優勝させた男、それが本書の著者ブラッド・ギルバートである。特別な武器となるショットを持たずに、マッケンロー、ジミー・コナーズ、ピート・サンプラス、マイケル・チャンなどの超一流プレーヤーを破り、世界4位にランクされた男でもある。戦略と戦術を駆使して、“卑怯者”とののしられても試合に勝つ方法を見つけ出すギルバートのテニスの神髄が、本書にぎっしりと詰まっている。
目次
第1章 君が試合の前にするべきこと(心の準備が勝負を決める;持っていますか?“必勝グッズ”;勝つためのウォーミングアップ;スタートダッシュでリードを奪え)
第2章 もっと楽に、そして確実に勝てる(勝つための暗証番号を探し当てろ!;苦手プレーヤーをやっつけろ!;絶対に勝つための7つのポイント ほか)
第3章 トッププロの心理作戦(激怒の達人ジョン・マッケンローとジミー・コナーズ;イワン・レンドルの最終兵器;アンドレ・アガシのラビット戦法 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めしいらず
22
戦術理論書として極めて優秀なのだが、テニスオタクにとっては80〜90年代の名選手と著者の対戦例の部分が実に面白い。著者のキャリアのマイルストーン的なビッグウィン、例えば85年マスターズ1Rマッケンロー戦、87年全米SFベッカー戦、そして90年GS杯SFのウィートンとの有名な喧嘩試合などが濃やかに語られている。仲が悪かった選手への書き振りには悪意がこもっていて尚のこと面白い。そんなコナーズ、マッケンロー、レンドルの旧BIG3(著者はいつもコテンパンにされている)は良くも悪くもやはり特権的な存在だったよう。2024/07/26
サンノート
11
自分はテニスをプレイしないので、選手目線では読めなかったけれど、選手がどういうことを考えて試合に臨み、試合を闘っているのかがわかった。すべては「勝つために」という点から出発しており、勝とうが負けようが自分たちのサッカーを貫くという姿勢で闘ったサッカー日本代表のブラジルW杯の敗退を思った。相手に合わせて戦術を変えた方が賢いのは、どのスポーツでも同じらしい。スポーツ選手の自伝が実用書的な教訓に溢れているのと同様、試合の準備や駆け引きなどには仕事に援用できる項目が多々あった。またテニス観戦の助けにもなりそう。2015/08/06
めりっく
10
特別な才能を持つエリート選手との対戦で武器を持たぬ非エリートの著者が培った戦術書。理屈では勝てる筈ない相手にもコート上でなら勝つ可能性を見出せる。頭を使って練った対戦プランは甚だ説得力がある。それは技術論よりは精神論的。対戦相手の長所短所や癖や自分との実力差を正しく評価し付け入る隙を探る。漫然プレーで勝てないのは道理だ。ただ著者のプレースタイルを一般に当てはめるとただ消極的プレーを推奨しているようにも受け取れてしまう。確かにテニスの本質だし確かに勝てるとも思うけれど、本来の愉悦からは遠ざりそうにも思う。2024/07/20
ネイク
5
学生の時代からの愛読教本。これを読んでガラッとプレースタイルが変わったなとしみじみ思う2017/11/05
マーク
5
読み物として、面白い。一般レベルで役に立つかは?2016/01/07