ちくま文庫
東京ミキサー計画―ハイレッド・センター直接行動の記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480029355
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

1963年3月、芸術家たちのパワーが噴出した嵐のような読売アンデパンダン展が終わった。しかし、若い彼らの創作意欲が消えるわけはなく、かくして超前衛芸術家三人は、ハイレッド・センターを結成。三人とは高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之である。物にからみつき、どこまでも延びてゆく紐、梱包、手描きの千円札、卵、増殖し続ける洗濯バサミ…芸術であるものとないものの間で活動した三人の行動記録。

目次

第1章 山手線の卵
第2章 国立の生唾
第3章 早稲田の赤い便器
第4章 上野のゴールド・ラッシュ
第5章 上野の長い紐
第6章 新宿のテープカット
第7章 新橋の洗濯バサミ
第8章 新橋のスペース・シャトル
第9章 帝国ホテルの肉体
第10章 パリの前立腺
第11章 宇宙の缶詰
第12章 御茶ノ水のドロップ
第13章 銀座のゾーキン
終章 霞ケ関の千円札

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

70
時代は今から約55年前、東京オリンピックの前後。赤瀬川原平、中西夏之、高松次郎氏他でこんなおもしろい芸術が繰り広げられていたことに驚く。紙に絵の具という芸術から飛び出して体を張ったパフォーマンスや駅のホームで見るものを引きつけるアート、有名な千円札など載せられている写真からでもその面白さが伝わってくる。今の時代に駅や公共場所でこんなことを始めたらたちまち御用になるようなハプニングも当時はまだ寛容な世の中だったようだ。こういったアート今は不毛の時代か。2019/06/01

おいしゃん

65
【読書会課題本】面白すぎる!身体中に洗濯バサミをつけて練り歩いたり、招待客を前に、自分たちが食べているところを見せる「晩餐会」を催したり、独楽のようにクルクル回りながら身体に糸を巻きつけてゆく「演奏会」を開いたり…。ハイレッドセンターたちが行ったそれらの前衛芸術を、ユーモアたっぷりに初心者にもわかりやすく解説する一冊。ゲスト参加の国立近代美術館のキュレーターの方ともお話でき、充実の読書&読書会でした!2015/01/31

お萩

8
芸術とバレないように芸術をやる芸術。それは、人間の「芸術」を感じる部分を掘り下げていくようにも見えるし、一度枠から外れることで俯瞰しようとしているようにも見える。千円札裁判が真面目でおかしくて結局一番印象に残ってしまった。2015/07/02

xtc1961ymo

5
追悼として、復刊されたのを機に再読。丁度自分が生まれてすぐの頃に、今でいう、イベント、ハプニングに当たる事を公衆の面前で無意識過剰でやっていたんだなーとそのラジカルな直接行動には脱帽。協力者あるいは観客として、横尾さんやオノ・ヨーコ、ナムジュン・パイクなどのそうそうたるメンバーがいて、その写真にも時代を感じさせるエネルギーが溢れています。千円札裁判にも触れられており、法廷内の貴重な証拠物件とともに一級品の資料たりえている。宇宙の缶詰めが最高!2015/01/20

肉欲棒太郎

4
「新橋の洗濯バサミ」、「宇宙の缶詰」、「御茶ノ水のドロップ」、「銀座のゾーキン」が面白かったが、やはりハイライトは「霞ヶ関の千円札」。ハイレッド・センターの過激な前衛芸術運動は犯罪の領域にまで達するが、法廷すら「芸術」の場にしてしまうところが凄い。ダダ・シュルレアリスム運動との歴史的なつながりを拒絶してはばからないところなど、座談会も示唆に富む。2016/07/29

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