内視鏡診断のプロセスと疾患別内視鏡像―上部消化管

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B5判/ページ数 349p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784888751766
  • NDC分類 492.14
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 内視鏡が世に出て半世紀が過ぎた.1950年胃カメラが開発され,ファイバースコープ,電子スコープと機器は進歩し,最近では顕微内視鏡まで実用化されつつある.
一方,EMRの開発・改良が内視鏡診断の向上に寄与したことも無視できない.Strip biopsy法やCap吸引切除法の出現により,手術をしなくとも治る胃癌・食道癌が認識され,その簡便性・低侵襲性も相まって普及するとともに,適応である小さな粘膜癌の診断の底辺を広げることに大いに寄与した.さらにESDが開発されると,適応拡大が積極的に論議されているのは周知のとおりである.しかし,EMR,ESDの普及は,深達度あるいは浸潤範囲診断の重要性を再認識させ,拡大観察など診断の向上に寄与した一方で,安易に内視鏡治療に走り診断を軽視する風潮が生まれつつあり危惧される.
本書は所見ごとに項目立てされているのが特徴である.隆起あるいは陥凹といった所見をみて,その所見から質的診断に至るプロセスを,多くの内視鏡写真と簡潔な解説,そしてフローチャートを用いて懇切丁寧に解いている.現在内視鏡の分野で最先端で活躍中の先生方に執筆をお願いし,生命線といえる内視鏡画像も美しい最高のものになっている.本書は読み進めると内視鏡診断のプロセスが自然にわかるように工夫されている.すなわち,症状や身体所見にはじまり,内視鏡の適応・禁忌,実際の検査の準備,解剖と正常像,挿入法を詳しく解説し,内視鏡用語の使い方,色素内視鏡,拡大観察,超音波内視鏡にいたるまで網羅されている.通常この手の本では軽視されがちな十二指腸,胆膵領域についても力を入れたつもりである.また,図表を多用し,繰り返し使うことで,現在読んでいるその場で疑問が解決するように工夫した.まさしく実践的な本である.さらに,各疾患ごとに大切な事項は疾患別内視鏡像の章にまとめて示し,最新のトピックス,内視鏡診断上の技術的なコツとポイントに関しては充実したコラムの中に包み隠さず盛り込まれている.    

《目次》
I.総 論
1.症状・身体所見から何を考えるか
腹痛の診断の進め方/悪心・嘔吐/胸やけ・げっぷ/腹部膨満感/嚥下困難/吐血・下血/胸痛
2.内視鏡検査の適応と禁忌
消化器内視鏡におけるインフォームドコンセントのあり方/適応/禁忌/偶発症/内視鏡医としての心構え
3.内視鏡検査の準備
前処置/意識下鎮静法とモニタリング/電子内視鏡システム/洗浄・消毒・滅菌
4.部位別解剖と正常内視鏡像
咽頭,喉頭/食道/胃の解剖と内視鏡像/十二指腸の解剖と内視鏡像
5.挿入観察法
上部消化管のルーチン内視鏡検査/挿入・観察の実際/病的とはいえない胃の変形
6.色素内視鏡検査
色素の種類,原理,特徴/色素散布のコツ
7.拡大内視鏡観察
H.pylori非感染正常胃の体部拡大内視鏡像/H.pylori非感染胃の前庭部拡大内視鏡像/H.pylori胃炎に観察される体部拡大内視鏡像/胃癌の拡大内視鏡像/Barrett食道における拡大観察診断
8.超音波内視鏡(EUS)
EUS機器/消化管壁の基本層構造/各種疾患のEUS診断

II.診断のプロセス
1.形態を表現する用語

2.食 道
隆起/陥凹/びらん・潰瘍/色調・血管透見/変形・狭窄
3.胃
隆起/ひだ/陥凹/びらん/潰瘍/色調/血管透見/変形狭窄
4.十二指腸
隆起/びらん・潰瘍/陥凹/変形狭窄/乳頭部

III.疾患別内視鏡像
1.食 道
食道癌(取扱い規約による分類)/Barrett食道の定義/逆流性食道炎(Los Angeles 分類)/食道静脈瘤(日本門脈圧亢進症取り扱い規約)/拡大内視鏡による食道癌の微細血管分類
2.胃
胃癌の肉眼型分類/胃炎(Schindler分類/木村・竹本分類/Sydney分類)/胃潰瘍の時相分類(崎田・三輪分類)/胃ポリープ(山田・福富分類)/悪性リンパ腫(佐野分類/「胃と腸」胃悪性リンパ腫編集小委員会の分類)
3.十二指腸
十二指腸潰瘍(Stage分類・型分類)/乳頭部癌
附)胆膵の内視鏡像-挿入・観察・読影/EUS(超音波内視鏡)/胆道鏡/膵管鏡

コラム
咽頭に注意/無症状患者に注意/H.pyloriと胃炎,胃潰瘍/H.pyloriと胃癌,MALTリンパ腫/未分化癌と未分化型癌(胃癌)/胃型形質の分化型癌/食道癌のハイリスクとは/胃癌のハイリスクとは/胃術前のマーキング/生検すべき場所(食道)/生検すべき場所(胃)/鉗子触診/EMRの適応病変(食道)/EMRの適応病変(胃)/NBI/鳥肌胃炎/AIDSの消化管病変/消化管間葉系腫瘍/IIa+IIc型についての日本消化器内視鏡学会の見解

目次

1 総論(症状・身体所見から何を考えるか;内視鏡検査の適応と禁忌 ほか)
2 診断のプロセス(形態を表現する用語;食道 ほか)
3 疾患別内視鏡像(食道;胃 ほか)
附 胆膵の内視鏡像―挿入・観察・読影のポイント(超音波内視鏡(EUS)
胆道鏡 ほか)

著者等紹介

丹羽寛文[ニワヒロフミ]
聖マリアンナ医科大学客員教授/日本消化器内視鏡学会理事長

長南明道[チョウナンアキミチ]
仙台厚生病院消化器内視鏡センター長

田尻久雄[タジリヒサオ]
東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科教授

田中信治[タナカシンジ]
広島大学光学医療診療部部長・助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品