内容説明
１８３１年イギリス地方都市。重大な疾患を抱えるわが子のために、ガスティンは昼は陶工の助手、夜は娼婦として働いていた。過去に秘密をもつ青年医師ヘンリーと出会ったガスティンは、彼こそがわが子を救えると直感し、ヘンリーの解剖教室のために死体を調達することを申し出る。ヘンリーの医学への情熱とは裏腹に、労働者の間では、医師は墓泥棒や殺人者の同類と考えられていた。二人の表沙汰にできない共犯関係のお陰で、ヘンリーは死体を手に入れることができる。だが二人の関係も、人々がこぞって無視したコレラが猛威をふるい始めるまでのことだった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
80
読み終わって〜嗚咽とも唸り声ともつかぬ声が漏れた。一言では言い表せない物語。何か書こうと思うけれど、少し落ち着いてからにしよう。一夜明けて少し動悸も治まったので。訳者あとがきに賞賛の数々。わたしにはジャンル分けなど出来そうもない作品だった。作家の表現力、訳者の力量は再読したくなる魅力が。読者を選びそうだけど、わたしにとっては大切な一冊になった。再読予定です♪2025/05/28
