内容説明
教育界を震撼した連邦報告書『危機に立つ国家』の出現からすでに4半世紀、日本を他山の石とし、教育のナショナル・スタンダード化をひたすら追求してきた米国は、今オバマ大統領の登場とともに新たな変化の時代を迎えようとしている。この時にあたり、米国スタンダード教育改革の全てを、それがもたらした様々な問題点とともに統括し、今後の在るべき変化を展望する。
目次
1 オバマ大統領の誕生とアメリカ教育改革のゆくえ(オバマ大統領の誕生と教育の転換期;スタンダードに基づく教育改革とは)
2 新しい教育システムをめざしたスタンダード教育改革(国家戦略としての教育改革―連邦レベルのスタンダード開発;州レベルのスタンダード教育改革;バーモント州のスタンダード教育改革―ポートフォリオ評価の試み;オレゴン州のスタンダード教育改革―CIM、CAM、PASSの試み;2000年の全米教育目標は達成されたのか)
3 スタンダード教育改革の新たな展開と広がり(落ちこぼれをつくらないための初等中等教育法の成立―K‐12スタンダード教育システムの確立と新たな問題;スタンダード教育改革の新たな展開1―就学前教育との連携接続;スタンダード教育改革の新たな展開2―大学、キャリアとの連携接続;スタンダード教育改革の新たな展開3―キャリア・技術教育への広がり;スタンダード教育改革の新たな展開4―成人教育への広がり;『危機に立つ国家』から25年―スタンダード教育改革の現在)
4 スタンダード教育改革の光と影から何を学べるか(スタンダード教育改革と2つの教育パラダイム;スタンダードに基づくこれからの教育のあり方;スタンダード教育改革から学ぶ)
著者等紹介
松尾知明[マツオトモアキ]
1962年生まれ、ウィスコンシン大学大学院教育研究科博士課程修了。国立教育政策研究所・初等中等教育研究部・総括研究官。福岡県生まれ。福岡教育大学卒業後、公立小学校で4年間教える。ウィスコンシン大学大学院Curriculum&Instruction専攻へ留学。ラドソン=ビリングズ(Gloria Ladson‐Billings)らに学び、教育学博士を取得。浜松短期大学講師を経て、国立教育政策研究所に在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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