内容説明
戦前期に青春を送り、戦前・戦後において活躍した有名無名十数人の登場人物。多岐にわたって展開された彼(女)らの活動のルーツは、戦前期の高等教育機関が供与しえた豊かな教養知にあった。激動する近代日本に生き、さまざまな屈折や挫折を経ながら優れた個性の創造を果たした人々の生涯が喚起する、現代における自己形成のための新たな教養教育の必要性。
目次
序章 日本における教養の死と再生
1 近代日本における知的青春の悲劇―立身出世主義からの脱却
2 ファシズム前期における大学自治論―河合栄治郎・森戸辰男の「大学顛落」論争
3 自性清浄―北川省一の行学と自己形成
4 倶会一処、往還一如―林霊法の行学と実践
5 女性解放運動家の生涯と実績―平塚らいてうの自己形成
6 女性社会運動家の生涯と自己形成―近藤真柄・帯刀貞代について
7 胸張りて行け面あげよ―折井一の教育実践と教育観
8 大学における研究と教育―畑敏雄氏の行履と言説に学ぶ
著者等紹介
宮坂広作[ミヤサカコウサク]
1931年長野県諏訪市に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院(教育行政学専門課程)に学んだのち、お茶の水女子大学・東京大学・山梨学院大学等で教職に就き、現在、東京大学名誉教授、教育学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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