内容説明
先端医療技術の出現が人類につき突けつつある難問―臓器移植、生殖技術、遺伝子治療・診断をはじめ、常に恩恵と危険を共に孕むこれら問題群に対し、われわれはどう答えるべきか。バイオエシックスの歴史と現状を俯瞰しつつ、技術の後追いに終始する生命倫理を超え、技術を内在的に検討・批判しうる新たな価値観の確立を求め、生命倫理学の再生をめざす。
目次
第1部 バイオエシックスの歴史(バイオエシックスの「歴史的回顧」;医療倫理の歴史と概念;遺伝子研究の歴史と倫理)
第2部 バイオエシックスの哲学(生命の技術化;バイオエシックスが「医学の哲学」を変えた;ヒトゲノムの全塩基配列決定は還元主義;バイオエシックスにおける相補性)
第3部 バイオエシックスの課題(「生命倫理学」にとって「犯罪」への「荷担」は可能か;遺伝子診断とバイオエシックス;バイオエシックスの基本問題)
著者等紹介
大林雅之[オオバヤシマサユキ]
1950(昭和25)年東京に生まれる。1986(昭和61)年上智大学大学院理工学研究科生物科学専攻(生命科学基礎論部門)博士後期課程単位取得。ジョージタウン大学ケネディー倫理研究所客員研究員、産業医科大学講師、山口大学医学部教授、川崎医療福祉大学教授などを経て2004(平成16)年8月より京都工芸繊維大学教授。専攻:生命倫理学(バイオエシックス)、科学史、科学哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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