内容説明
コンパクトな入門書だが、最新の研究成果を踏まえ、旧来のアレクサンドロス像に異議を唱えて、実像を新たに描き出そうと試みた特別な1冊!
目次
はじめに アレクサンドロス・モザイクと「アレクサンドロスの歴史家たち」
第1章 アレクサンドロス以前
第2章 王子―マケドニア宮廷のアレクサンドロス
第3章 戦士―アレクサンドロスの軍隊
第4章 指揮官―アレクサンドロスとギリシア人
第5章 ファラオ―アレクサンドロスとエジプト
第6章 世界の王―アレクサンドロスとペルシア
第7章 旅人―アフガニスタンとパキスタンのアレクサンドロス
第8章 死にゆくさだめ―バビロンのアレクサンドロス
第9章 アレクサンドロス以後
著者等紹介
佐藤昇[サトウノボル]
1973年宮城県塩竃市に生まれる。1997年東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻西洋史学専門分野修士課程入学、1999年同修士課程修了、同博士課程進学、2003年同単位取得退学、2006年12月博士号(文学)取得。東京大学大学院人文社会系研究科助教を経て、神戸大学大学院人文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
14
アレクサンドロス大王についての短い評伝。ローマ時代の著述家による「東方の文化により堕落した」という大王像を見直し、むしろ現地の習俗を重んじた支配者として描く。ただいかんせんページ数の関係で、新しい大王像を生み出すまでは及んでいないかも。最新の大王像を知るというよりは、終章で紹介されるように、歴史の中で変転をとげる英雄とは何なのかというのを考えるきっかけになる一冊。2021/09/24
ジュンジュン
6
アレクサンドロスを現代まで伝える史料は、大王の死後300年以上経ったローマ時代の著作家達5人。この”アレクサンドロスの歴史家”は、ローマ人を想定読者として書いたため、当時の願望や常識が色濃く反映している。それを同時代の碑文や粘土板を用いて批判検証し、真の姿を浮かび上がらそうとする試み。著者の意図は、東方文化に感化されて堕落する大王像(従来の定説)から合理的な判断を下す支配者への転換。野心的な挑戦だし、従来像は修正できても、残念ながら新たなアレクサンドロス像を描き出すところまでには至っていない。2020/04/01
スプリント
5
ページ数に限りがあるせいかアレクサンドロス大王の生涯のダイジェスト版という印象。2023/12/19
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