出版社内容情報
2004年7月11日の『朝日新聞』書評欄に載りました。
「ヴェネツィア共和国のコンパクトな通史である。といっても、最盛期の十五~十七世紀を中心にした記述ではなく、その後につづく緩慢な衰退期に拘泥して、斜陽の中に生きる人々の心にまで測鉛を下ろしているのが特徴である...以後、世界中の旅人を惹きつけてやまないところに、著者のこだわりは由来するのだろう。....本書はヴェネツィアの夢と現実をこもごも見据えた、熟練の技の産物である。」
内容説明
政治・経済・地勢とあらゆる面にわたって好条件を具えていたヴェネツィア共和国が、1100年のその歴史を何故、唐突に閉じなければならなかったのか?ヴェネツィア史の第一人者がそのライフ・ワークとして書き下ろした本書から、人びとのつぶやき・しぐさ・心の中の叫びまで聞こえてくる。
目次
第1部 草創期より十六・十七世紀へ(ヴェネツィア草創より絶頂期へ;イタリア諸国壊滅;持ちこたえたヴェネツィアの貿易/海運衰退;ヴェネツィアの毛織物業の下降 ほか)
第2部 夕映えのヴェネツィア共和国‐十八世紀(ヴェネツィア十八世紀点描;景観と政府の諸施策;ヴェネツィアの諸階級;人びとの意識と暮し ほか)
著者等紹介
永井三明[ナガイミツアキ]
1924年生。東京都出身。京都大学文学部史学科卒業。現在、同志社大学名誉教授。著書に『ヴェネツィア貴族の世界―社会と意識』刀水書房(第18回マルコ・ポーロ賞受賞)、訳書にマキァヴェッリ『ディスコルシ』(『マキァヴェッリ全集』(第10回ピコ・デッラ・ミランドラ賞受賞)第2巻)筑摩書房など
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