出版社内容情報
周辺は中心にいかに対応して「永い19世紀」の経済発展をとげたか? ヨーロッパの「南北問題」。その後進性は全世界各地のモデルでもあり,日本の発展の道でもあった
内容説明
中心=周辺のシステム論に依って、産業革命をへた西欧からの挑戦に周辺―北欧・南欧・東欧がどのように対応して経済発展をとげたかを比較検討する。ヨーロッパ近代史だけでなく、現在のヨーロッパの「南北問題」を知るための絶好の書。
目次
第1章 ヨーロッパの後進地域と産業革命の挑戦
第2章 変革の社会的・政治的条件
第3章 経済発展の人的要因
第4章 経済発展への国家の役割
第5章 世界市場への周辺の統合
第6章 貿易、輸出産業部門の発展とその影響
第7章 工業化と経済発展の水準
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
産業革命で逸早く工業化、経済発展に先鞭をつけたイギリスを中心に、その影響を直接受ける仏独などのヨーロッパ中心部の”周辺”と位置付けられた、北欧、南欧、東欧、ロシア、バルカン半島の19世紀を通じた経済発展の様相を概観。19世紀初頭には、どこも後進的農業地帯だったヨーロッパ周辺だったが、ヨーロッパ中心の経済拡大の影響を受け、農産物や工業原料の供給地として、経済圏に組み込まれていく。その過程は経済発展のチャンスであると同時に、先進地域への従属をも伴った。この一世紀が現在の欧州の経済構造を作ったといえるだろう。2020/12/22
K
0
名著。2010/09/08
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- 和書
- 朝倉恭介 角川文庫