内容説明
公権力の裁定を執行すべく係争地に臨んだ特命使節が目にしたのは、多くの与同者を集め、城郭を構えて抵抗する論人たちの姿であった。公権力と在地社会の意思が使節遵行の「現場」で切り結ぶさまを、膨大な資料を渉猟し緻密に検証。使節遵行の意義を再評価する。
目次
序章 本書の視角と方法
第1章 鎌倉幕府と使節遵行(六波羅探題と西国守護;鎮西探題と九州守護;鎌倉幕府と東国守護)
第2章 鎌倉時代の西国と東国(鎌倉幕府の西国認識;鎌倉時代後期の公武交渉;六波羅探題の領分)
第3章 南北朝内乱と使節遵行(建武政権期の使節遵行;室町幕府・南朝と使節遵行;中世武家権力の地域的構成)
第4章 使節遵行と地域社会(使節遵行の「現場」;使節遵行と地域社会(若狭の場合;備後・安芸の場合))
終章 使節遵行論の意義
著者等紹介
外岡慎一郎[トノオカシンイチロウ]
1954年神奈川県横浜市生まれ。1978年中央大学文学部史学科卒業。1984年中央大学大学院文学研究科国史学専攻後期課程単位取得満期退学。1986年学校法人敦賀学園敦賀短期女子大学(のち、敦賀短期大学)教員となる。2013年同大学廃止につき退職、敦賀市立博物館館長となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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