内容説明
江戸時代に焼塩の生産・流通用の容器として用いられた焼塩壷。筆者は全国の遺跡から無数に出土するこの遺物のデータを無数に集積し整理・分析の結果、近世におけるモノの生産・流通・使用・消費のプロセスの一端を明らかにし、さらには近世という時代の考古学的・歴史学的復元を試みる。
目次
第1部 総論(焼塩壷研究略史;史料上の焼塩壷;焼塩壷の分類;焼塩壷の刻印;焼塩壷生産者とその相互関係)
第2部 各論(「ミなと」類の刻印をもつ焼塩壷;「御壷塩師/堺湊伊織」の刻印をもつ焼塩壷;「泉州麻生」の刻印をもつ焼塩壷;「奥州磨生」「サカイ泉州磨生/御塩所」の刻印をもつ焼塩壷;「泉湊伊織」の刻印をもつ焼塩壷;「堺本湊焼/吉右衛門」の刻印をもつ焼塩壷;「○泉」の刻印をもつ焼塩壷;「大極上上吉改」「大上々」の刻印をもつ焼塩壷;3-2類の焼塩壷;「い津ミ つた/花塩屋」の刻印をもつ焼塩壷;鉢形焼塩壷;特殊な焼塩壷;焼塩壷の蓋;「イツミ/花焼塩/ツタ」の刻印をもつ焼塩壷;「なに者ん/七度焼塩/権兵衛」の刻印をもつ焼塩壷)
第3部 特論(壷塩屋の系統;時期別の様相;焼塩壷の空間分布1―江戸市中における分布;焼塩壷の空間分布2―汎列島的分布;墨書の有する焼塩壷;焼塩壷の使用形態)
著者等紹介
小川望[オガワノゾム]
1957年東京都に生まれる。1981年埼玉大学教養学部人類学コース卒業。1984年東京大学大学院人文科学研究科考古学専攻博士課程退学。東京大学文学部助手。1990年東京都小平市教育委員会学芸員(至現在)。2007年國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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