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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
25
彼が得たいと思った権力は、空虚さと不幸しかもたらさなかった。というより、彼が権力を得て何をしたかったかが、見えてこない。普通は、権力の頂点に立った時に、「俺の欲しいものはこれではなかった」と悟り、主人公が改心するなどの展開が考えられる。しかし本編のヨーリスには、それがない。権力の座についた途端に、わざわざ手放すような行動に出て、賄賂も受け取らず、政治の世界でうまくやっていこうという意思が見られない。そんな彼は、政治の中枢からもはじき出され、居場所を失っていく。2026/09/22
bapaksejahtera
15
舞台はベルギーの実在の都市フールネで1939年発表。市長で葉巻工場を経営するヨーリスは、貧しい身から立身した男だったが、独立自尊で卑俗を嫌い弱さを見せぬ性格を家族や周囲にも押し通す。妻妾同居、障害のある娘や軍隊に追いやられた不良の息子等、彼の性格故に破綻した家庭のみならず、社会生活も転落に向かって進む様子を描く。主人公の性格は中々掴みにくいが、瀬名秀明氏の巻末解説はそれをよく補ってくれる。又アンドレ・ジッドとシムノンの関係も理解が進む。本作のようなロマンデュール作品数はメグレ作品を凌ぐというのは一驚する。2026/09/12
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