ＭＯＮＫＥＹ 〈Ｖｏｌ．１６ ２０１８－１９〉 特集：カバーの一ダース

柴田元幸

スイッチ・パブリッシング（2018/10発売）

• サイズ B5判／ページ数 142p／高さ 26cm
• 商品コード 9784884184216
• NDC分類 905
• Cコード C0076

出版社内容情報

特集：カバーの一ダース

10月15日発売の文芸誌「MONKEY」vol.16は「カバーの一ダース」と題した、国内外11人の気鋭の作家陣によるカバー作品特集です。元ネタとなる「作品」は戯曲や小説、民話に加え、「じゃんけん」や「憲法」なども含む多彩なラインナップ。

はたして作家たちはどのような「カバー」をくり広げるのか。MONKEYが平成最後の“読書の秋”に贈る、カバー作品を集中的に読むという読書体験をお楽しみに！

＊「一ダース」と言いながら11作品というのはMONKEYの一ダースシリーズならでは特徴です（猿はずるいから1つ足りないというリクツです）。

【CONTENTS】
特集　カバーの一ダース
Artwork: 黒田征太郎 写真: 吉間完次

8
津村記久子
貝がらを拾いに

18
西岡兄妹
日本国憲法 前文

21
マーク・クリック
『カフカのスープ』からの四篇
訳:柴田元幸

34
円城塔
友情の誕生

38
平田俊子
猫の皿・二枚目

43
バリー・ユアグロー
ユダの別バージョン
訳:柴田元幸

47
イッセー尾形
ヨリックの手記

55
石川美南
わたしの増殖（分裂ver.）
アラスター・グレイ
イアン・ニコルの増殖
訳:柴田元幸

60
戌井昭人
クリスマスイブの犬の災難

69
スティーヴン・ミルハウザー
ガイドツアー
訳:柴田元幸

144
黒田征太郎
猿の惑星

古川日出男 REMIX 2018
絵:秋山花

80
宮沢賢治リミックス
グスコーブドリの伝記
魔の一千枚
（科学論）（天災論）（自伝論）（殉難論）

94
対談　古川日出男＋柴田元幸
団体旅行が苦手な人間が
小説を書くことについて

106
ペーパーバック・カバーズ
文:柴田元幸　写真:ただ

113
エリオット・ワインバーガー
Not Recommended Reading
――要約という名のカバー
訳:柴田元幸　artwork:タダジュン　写真:ただ

130
このあたりの人たち
川上弘美　冷蔵庫
写真:野口里佳

132
死ぬまでに行きたい海
岸本佐知子　丹波篠山2

136
対談 小山田浩子＋柴田元幸
身近にある宇宙たち
絵:雨本直

140
猿の仕事

142
本号の執筆者／次号予告

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[tokko]

先日の村上さんのラジオ放送もわりとカバーの曲が多かったので、カバーが続きます（笑）カバーって元ネタの方を知っていればそれはそれで楽しめちゃうし、知らなかったら「じゃあカバーされてる方を読んでみようか」という気になるので結局楽しいですよね。本当は『今昔物語集』があって芥川の小説の順番なんだろうけど、芥川を読んで『今昔物語集』を手に取るように。昔の人も（「本歌取り」なんていうのもあるわけだし）そういう双方向的な楽しみを見出していたのではないでしょうか。

2018/10/27

[まさ☆( ^ω^ )♬]

特集は「カバーの一ダース」って事で、過去の作品をカバーした新作が11本も収録されています。いや〜面白かった。とくに戌井 昭人「クリスマスイブの犬の災難」が笑えました。1950年代辺りのアメリカ ペーパー・バックカバーの話も面白かった。

2021/10/06

[あん]

面白かった！最初のトルストイくまさんと、宮沢賢治対談、要約という名のカバーが好きだった。いかにもな落語もアクセントになっててたのしかった～

2019/01/14

[中山りの]

カバー特集。おもしろい。円城塔のじゃんけんとか。カバーって、その元ネタを知っていると、もしくは気づくと、知的好奇心を刺激されてウキウキしてしまう。そもそも、何かをつくるということは、少なからず何かをカバーしているのだと思う。と、書いたこの文章ですら、おそらく何か元ネタがあるはず。

2018/10/27

[我がネコ]

カバー特集。西岡兄妹「日本国憲法 前文」改めて読み直してみると素晴らしい。この国は崇高な意識を持つ国民を携えた、豊かな国になるのだなという自信が満ちてくる文章。古川日出男特集も良かったな。今までモヤモヤとした気分で読んでいたシリーズだったが。インタビューもあって意図が直接聞けて合点。「殉難は英雄を生んではならない」「原子力発電という発想があったならばブドリたちはこれを導入しただろう」「宮沢賢治はプロの書き手ではなくプロの読み手」など良い言葉を得れた。

2018/12/23