内容説明
著者の三十年間にわたる博物学の巨人と称われた南方熊楠への取材と資料渉猟のなかで明らかにされた、沖縄の民俗学の異才、末吉安恭の存在。南方熊楠が強い興味を示し、また海の彼方から反骨の熊楠に熱い眼差しを向けていた末吉安恭その人の、知られざる人生に光をあてる。
目次
はじめに なぜいま南方熊楠か
第1部 南島の小熊楠―末吉安恭の生涯(人生 出逢いの旅;上京、そして弟の死;障子を素通りした影)
第2部 三人の男たちの手紙
第3部 熊楠からの手紙
第4部 南方熊楠抄
熊楠余話
著者等紹介
神坂次郎[コウサカジロウ]
昭和2年、和歌山市生まれ。東京陸軍航空学校(甲種)に入校。のち特攻編成基地群馬県館林、鹿児島県知覧を経て、愛知県小牧飛行基地にて敗戦を迎える。戦後、俳優座演出部、土木建築の仕事を経て作家に転向。歴史・時代小説を中心に活躍。『元禄御畳奉行の日記』(中公新書・中公文庫)がベストセラー、ロングセラーとなり、『縛られた巨人 南方熊楠の生涯』(新潮社・新潮文庫)によって熊楠ブームの火付け役となる。『熊野御幸』『熊野まんだら街道』をはじめ和歌山に関する著書も多く、現在も和歌山市内に在住。平成10年(社)日本ペンクラブ理事。昭和57年に第二回日本文芸大賞受賞、平成14年に文化庁長官表彰、「南方熊楠賞」特別賞を受賞。平成15年「長谷川伸賞」を受賞
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