出版社内容情報
朝日新聞(2001年8月26日)
夏バテ解消には、こういう「激辛ライター」(オピ)のホツトな評論集がいい。ちなみに、歌の文句みたいなこの育名は、「オレが棄てた(棄てられた)女」が別れ際に言い放ったせりふだという。著者は1945年9月の生まれ。団塊の世代というにはややフライング気味だが、いわゆる全共闘世代の一人で、ノンフイクシッョンという「世代芸」の本流を行く書き手として高い評価を得てきた。
本書でも、文中にたびたび流行歌を引用するなど、様式性へのこだわりは強いが、問題意織はつねに清新。あの時代の用語でいう、「自己解体」の徹底ぶりがうかがえる。
しかし、小川プロとともに三里塚にこもり、水俣をへて物書ききほなったという著者の「戦歴」も、いまでは解説が必要かも。これは、先の大戦でいうと、真珠湾攻撃のときには赤城の甲板にいて、沖縄戦の際には大和の艦橋にいたというぐらいのものだが、そういうとなおわかんない?やっぱ教科書が悪いか。山口文憲(エッセイスト)
■目 次■
まえがき ボム・ド・パンからの最初の挨拶
第1章 「あなたは男でしょ。強く生きなきゃ、ダメなの」と言われて
その1 ブタ箱での目覚め
その2 「やくざ踊り」の日々
その3 てんでカッコ良く死にてえな
第2章 売れっ子有名人「殺人事件」
さらば、ニッポン!●松田聖子
かあちゃん、かあちゃんと泣いた男●北野 武
「二流」で行こう、モーニング娘。●つんく
「顔で笑って、心で泣いて」ってか●渥美 清
あんた、「左翼の寅さん」だよ●宮崎 学
デジタル「多重人格」化時代が始まった!●田口ランディ
第3章 映画と書物に未来はあるか
「民衆」という死語●映画『全身小説家』
コギャル・マゴギャルの援助交際●村上龍『ラブ&ポップ』
「オウムはわが友」●村上春樹『アンダーグラウンド』
もうひとりのフランク●村上龍『イン ザ・ミソスープ』
ノンフィクションなんて終わったよ●沢木耕太郎『オリンピア』
第4章 神話と伝説がお好きな方へ
「遊民」のバーチャルランド●宮沢賢治
内容説明
神話崩しの激辛ライター・吉田司が世に問う、生き方読本。
目次
第1章 「あなたは男でしょ。強く生きなきゃ、ダメなの」と言われて(ブタ箱での目覚め;「やくざ踊り」の日々 ほか)
第2章 売れっ子有名人「殺人事件」(さらば、ニッポン!―松田聖子;かあちゃん、かあちゃんと泣いた男―北野武 ほか)
第3章 映画と書物に未来はあるか(「民衆」という死語―映画『全身小説家』;コギャル・マゴギャルの援助交際―村上龍『ラブ&ポップ』 ほか)
第4章 神話と伝説がお好きな方へ(「遊民」のバーチャルランド―宮沢賢治「聖者」伝説;戦後最強「労働者」神話の裏舞台―三池炭鉱閉山 ほか)
著者等紹介
吉田司[ヨシダツカサ]
1945年山形市生まれ。早大中退。在学中から小川プロで「三里塚の夏」などを制作。70年から水俣に移住、水俣病患者と若衆宿を組織。その記録をまとめた『下下戦記』が大宅壮一ノンフィクション賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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