内容説明
ルネッサンス以降、今に至るまで表現の規範となっている遠近法。その作品空間に織り込まれた美と世界観をときほぐし、近代の美と知のあり方を問う。
目次
第1部 絵画空間の哲学(遠近法とは何か;科学革命と遠近法 ほか)
第2部 ルネッサンスの美術(ジオットとルネッサンス;世界と人間の発見 ほか)
第3部 ドイツ観念論における芸術の位置(カントの美の哲学;シェリングにおける自然と芸術 ほか)
第4部 近代日本における西洋体験―岸田劉生の場合(西洋の音、西洋の色;岸田劉生)
著者等紹介
佐藤康邦[サトウヤスクニ]
1944年、東京生まれ。1968年、東京大学文学部倫理学科卒業。1973年、同大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。2005年、同大学院、博士(文学)。現在、東京大学名誉教授、放送大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ik
3
遠近法を単なる絵画の一技法としてのみでなく文化、世界観の反映としてみる。科学に基づく遠近法をつきつめることと絵画の完成(普遍性を得る表現)とは違う次元にあり、実際のところはその反動や逸脱を以てして絵画空間はできあがっているのだということを実感。本物らしさを追求するとはどういうことかを考え直すのにいい契機となりました 岸田劉生論が非常に面白い2011/07/17
ひろ
2
何だか1冊に2本論があるように思えるのは私だけだろうか…。遠近法から話が遠ざかってるところがあるよう思うのだが…。ちゃんと読めていないのだろうか?2014/07/12